【九十九路】名もなきラーチェ

篠桐(幻
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企画元様 九十九路の羅針盤【illust/60865485

ミグラルの王 スオウ【illust/62826597】のラーチェ
ラーチェは個体名でなく種の名称であり名前はない(詳しくは常空の国ミグラル【novel/8122165】参照)

素敵な名前を頂きました!
名もなきラーチェは『ショール』という名を持つことになります

「ぼくと話をしてくれるの?……ああ、うん。人じゃないんだけど。それでもいい?」

ラーチェでありながら人の容姿を持ち、思考し、食べて、寝る
感情表現が不得手な以外はごく普通の少年である
飛翔の力も強靭さもスオウより上なのが悩み
主であるスオウの感情をわかっているため普段は森で生活している
生まれるまでの過程の記憶がありラーチェや遺跡の重要な情報を持つが聞かれぬ限り語ることはないし、語りたくないよう
同種であるほかのラーチェと会話ができるため、普通の知識も豊富である
舞の心得もあり森の中にラーチェを集めて披露していることもあるよう

サングィネムの血の情報も持つため体からはカシスの香りがするが不味い
食べられません

生まれる前から夢で逢っていたため父には良く懐いている

分化したため新規家系として投稿します。厳密にいえば民ではないので民タグはつけていませんが問題があればつけさせていただきます

素敵な絆を頂けました!(5/15)

魂を売る者【illust/62748719
黒い宝石であるオニキスと小指という意味を持つオリキュレールという言葉を合わせた『オニュキス』という名前を贈らせていただきました

深いまどろみの中、今にも崩れそうな影を見つけた
夢を渡る自分にとってそれはたまに見る光景。悪夢というものなのは判っていた
寄れば惹かれて飲み込まれる。普段ならすぐにそばを離れていたはずだ
だけどその時はなぜだかどうしても見過ごせなかった
思えばそれは予知の力の為せるものだったのかもしれないけれど、でも、その時どうしてもその悪夢の中にいる人に触れてみたくなったのはまちがいなくぼくの『意思』だ

そして出会った褐色の肌のひと
はじめは声をかけることもできなかった
ただひとみがぼくをとらえてほんの少し輝いたのを覚えている
その夢があらわれるたび何度も何度もそこへ通った
彼が輪郭らしい輪郭を取り戻しはじめて声をかけてくれたときの心の高揚をぼくはずっと忘れることはないだろう

ぼくは怖かった。ラーチェでありながら人の心を持つことが。悠久の時を生きなければいけない運命が
そしてその行く末にこの島に永遠にとらわれてしまう未来が
事実として記録として刻み付けられたそれらがいつか自分を飲み込むのだ
誰にも言えず胸の内に秘めていたそれらが彼の苦しみと重なるものだと判ったとき
ぼくは、はじめてラーチェにも涙が流せるということをしった

のちにぼくはそのひとにオニキュスという名を与え、ショールという名を授ることになる
そして、ぼくらは長い長い時の共犯者となった

「君と交わした小指の約束は、この先のぼくを救ってくれる。
 君が路を見失ったら何度でも呼びかけるよ。最後の日まで、必ずね」

順次更新(5/29)

よろしくお願いします

キャプション随時更新

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2017-05-09 15:29:32 +0000