超忍FES.2017 お品書き 

神楽
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超忍FES.2017 お品書きです。

『室町異譚』  A5/40P/800円 *頒布数は10部

人外と縁を結んでしまった人達の切なめ怪談小説短編集。あまり怖くないです。
ちょっと不思議な世界を垣間見る彼らのお話。

1.留三郎と腕の話 (六は)
2.体が海水になっていく舳丸の話 (舳丸と水軍衆)
3.神様と伊作の話 (伊作と雑渡)
4.鬼蜘蛛丸とカメ子が肝試しをする話 (鬼蜘蛛丸とカメ子)

の四編です。

※捏造設定多めとなっております。
 オリキャラ、死を連想する表現、男女の組み合わせが苦手な方はご注意ください。

海の男の汗の匂い(?)付き栞が中に綴じ込んであります。
4種類で栞はランダムです。
水軍祭船シールラリー参加しています。

スペース名は『うししび!』と覚えてください。

是非気軽に遊びにきて、海の男の汗の匂い(ウソ)を嗅いでいってくださいませ。
本当は空蝉香という甘くていい香りのお香の匂いを栞に移してあります。
初サークル参加のため緊張していると思います。よろしくお願いします。

<あらすじ>

 1、留三郎と腕の話  
  ある日、花瓶から生えた白い腕と出会ってしまった留三郎。
何故か腕に懐かれてしまう。この世のものではないと知りながら振り払えず、徐々に自分も触れてきた指をそっと握り返すようになった。
留三郎がよくないものに取り憑かれている、と六年生達は心配するが、だんだん彼は人外と心通わせていく。
 
「お前が両手だったらなぁ。」
彼が愛おしげに撫でる掌の下に白い腕が見えたような気がした。
長次が慌てて目を瞬くと、そこにはもう何も見えない。
「両手だったら。お前に細工の作り方を教えてやれるのに。」
留三郎の目に浮かんでいたのは慈愛の表情だが、やりとりは狂気じみていた。
「お化けの手でもあったかいんだよなぁ」
 
 
2、体が海水になっていく舳丸の話
海に呼ばれてしまう舳丸の話。
徐々に人外に近づいていく彼をとめられる者は誰もいなかった。。
 
舳丸から潮の匂いがする。近ごろ、そんな話が仲間内で盛り上がるようになった。
だんだん、舳丸の体から海の水が滴るようになり、ついには透けるようになった。
海をよく知る者達は口々に言った。あいつは海に愛されすぎたんだ。海のモノになっちまった。海の所有物に、俺達は手が出せない。
重だけはあきらめなかった。
 
今捕まえなければ、今度こそ、もう戻ってこないのではないか。
必死で、海に向かう舳丸のボサボサの後ろ髪を捕んだ。
しかし、掴んだ筈の髪はぱしゃり、と水のように溶けて消える。
重は声が枯れるまで舳丸の名を呼んだが、返ってくるのは波の音だけで、そこにはもう誰もいなかった。
 
 
3、神様と伊作の話
全身包帯ぐるぐる巻きの自称・神様にさらわれた伊作。
神様と過ごして、神様と別れて、また神様と出会う話。
 
幼い伊作が出会ったその男は異様な風体だった。
 
大きな身体に、片目だけ覗かせて包帯で顔をぐるぐる巻きにしている。黒ずくめの衣服に大小さまざまな骨を隙間無く身につけている様は、とても普通の人間には見えなかった。
大量の骨が、男が身じろぎする度にからからと音を立てる。
「やぁ、こんにちは。僕は神様だよ。」
 
それでね、悪いんだけど、
ちょっと一緒に来てくれる?
 
そうして、当たり前のように伊作の手をとった自称神様との、少しの散歩のつもりではじまったそれは、長くて短い旅のはじまりだった。
 
 
 
4、鬼蜘蛛丸とカメ子の話
泣かないと出られないお化け屋敷に二人が挑戦する話。
カメ子ちゃんは鬼さんの矜持を慮っており、鬼さんはカメ子ちゃんを泣かすような目に遭わせたくない。
「もう、鬼蜘蛛丸様ったら。カメ子を泣かせておいてくださいまし。もう少しでここから出られるところでしたのに。涙がひっこんでしまいましたわ」
「ああ、そうでしたね。そうでした」
思わず彼女の涙をぬぐってしまった鬼蜘蛛丸は照れたように笑った。
お互いにお互いを泣かせたくない二人は、果たして無事にお化け屋敷から出ることができるのか?

※鬼蜘蛛丸さんに妹がいる設定のため、捏造設定が苦手な方はご注意を。

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2017-05-02 11:03:52 +0000