■国:戀い襲の国 ルピネラ(コイガサネノクニ ルピネラ)
■当代代表:舞手候補 «花泪» ノア【乃吾】(マイテコウホ ハナナミダ ノア)
16歳 身長:156cm 女性 一人称:私 二人称:あなた、~様
■国の詳細
戀い襲の国 ルピネラ【novel/7802653】
■素敵なご縁を頂きました!
沈黙の国くちなし 当代斎主 杜若様【illust/62275494】
「もう、そうやっていつも子供扱い。…ううん、何でもないです。
それじゃあ、今日もごきげんよう。お優しい杜若様。
…一応言っておきますけど、嫌味ですからね!姐さま方に言いつけてやるんですからねー!」
文字通りの脱兎を決め込み今日も娘は駆け去るのみ。
ルピネラの民達は勿論のこと、くちなしの妓女達も彼女を可愛がってくれている。誰からだって愛されてきた。
だからこそわかるのだ、わかってしまったのだ。
自分が想いを寄せたあの人は、今日も優しく、柔らかに、そして容赦なく。
「また振られてしまったわ…。」
しょげた耳が見えそうな程に悲しげに、されど止まらぬ情熱を再び燃やし。
今日も彼女は帰路に着く。
望まれ希まれ生きてきた彼女にとって、そこはまったく異郷の地。
足掻けど駆けども躱されて、まるで観客も居ない一人舞台のよう。
きっと初めて人前に立った時でさえ、こんなに心細くはなかったわ。
彼女は己を嗤う。彼女は『独り』を知らなかったから。
きっとそれが異質だった。
対価の無い親切、見返りを求めない温情。
間違いなくあると信じて生きてきた彼女にとって、それが不確かなものであると教えてくれたのがこのさやけき夢の満ちる場所だった。
それらをどうにか信じたい、そんな気持ちが人を人たらしめるのだと。
彼らはそれを上手に繰って生きていた。
『いち』足す『いち』は『に』ではない。
足すばかりでなく、引くことも、掛けることもあるのだと。
心をしっかり数えようとすれば、すぐにそんなことには気づけたはずなのに。
彼女はここで、彼らと彼の人に出逢うまで、そんなことも知らずに生きてきたのだった。
だから彼女は何度も割って、割って、割って。
だけども割り切れないことを思い知って。
悲しいくらいにそれが恋だと気付いてしまった。
「此処には沢山人がいるのに、私は時々寂しくなります。
あなたの瞳に映らない。ただそれだけでこんなにも自分は1人だと感じてしまう。
なんて、…なんて自分勝手な想いなんでしょう。」
「わかってます、こんなことを言うから私はあなたにとっていつまでもただの子兎なんでしょう。
せめてお客さんになれたならって思ったこともあったけど、あなたはきっとそれすら許してくれないんでしょうね。
…それが優しさだって思うのは、私の勝手過ぎるかしら。」
私の舞は、国の人達にとってもとっても望まれた。それはとても幸せなことだし、光栄な事だと思ってる。
だけど、だけどね。嗚呼、あぁ、愛し憎しなカキツの君。
誰かを想って舞う悦びを、あなたは私に教えてしまった。
恋を叶えるという夢を、私はあなたに見つけてしまった。
「…あなたの為に舞う事を、きっと私の国は許してくれる。元々そういう国、そういうお祭りだもの。
だけどごめんなさい、きっともう生涯一度きり。
今日まで私を育ててくれた、その感謝を込めたただ一度。」
あなただけに捧げたい。私を選んでくれる国にすら、私の舞をあげたくないの。
私の全てで、あなただけを奪いたいの。
だから、ねぇ杜若様。理由が欲しくないのなら、ただただ愚かに泣いても良いわ。可愛い子兎で居ても良い。
だけどもしもあなたが許してくれるなら、あなたを恋い慕うひとりの女として。
「私を見て。私を好いて、拐って、奪って。あなたの中に隠してください。」
花の泪と称され愛された娘の舞は、風花の如くに想いを舞い上げ夜空を燃やす。
これが最後、とその言葉通りに、誰より望まれた舞姫は、誰かが聞いた鈴の音を最後に二度と国の舞台に立つことはなかった。
「舞手として誰もに望まれる生き方よりも、生涯かけてあのひとを口説き落とす方が私にとっては大事だったの。それだけよ。」
■前期
代表:ノエイ【illust/62034844】
「私が舞手になりたくないって言ったら、父さんはどうしていたかしら。…ううん、きっとどうもしない。
たぶん少し笑って、だけどちょっとだけ寂しそうな顔をして、『そうか』って、きっとそれで終わり。
残念に思ってくれるとは思うけれど、それを私に押しつけたりはしない。
それだけ愛されてる自信はあるの。
私がどんな道を選んで、その先にどんな未来があったとしても…父さんは、私がその選択を後悔しないって信じて見守ってくれる。
父さんがとびきり優しいのは母さんにだけよ。父さん、基本的には人にも自分にも厳しい人なんだから。」
絆:仕迂様【illust/62059262】
「母さんはね、誰より綺麗で可愛いの。父さんの事を誰より愛していて、ずっと恋をしているの。
私、そんな母さんが大好きよ。恋をした女の子がとびきり可愛いって、私は母さんを見て知ったの。
勿論母さんが人一倍の努力をして可愛くいようとしているのは知っているけれど…だって、ね。
出かける背中を見送る視線の切なさや、名前を呼ぶ声の甘さ、瞳を見つめる視線の優しさ…
そのどれもが『好きよ』って言ってるの。
今だから言うけれど、私、子供の頃はよく父さんに嫉妬していたんだから!
だから…だから、そう。いつかね、私も母さんみたいな恋をしたいな、って憧れてたの。」
今期:迺宜様【illust/63231800】
「お唄を歌って、兄さん。私ね、兄さんの唄とっても好きよ。自由で、伸びやかで、どこまでも飛んでいけそうな気持ちになるの。私もいつか旅に出てみたい、そんな気持ちになるのよ。
だけど、あんまり会えなくなるのは寂しいから、私も兄さんと一緒に歌うわ。いつ、どんなに、どこまで離れる日が来ても、縁に出来るのが思い出だもの。
ただ…私は兄さん程には唱えないから、兄さんが私をちゃぁんと思い出してくれるかちょっと心配。
…嘘よ、わかってるわ。私が兄さんを大好きなように、兄さんも私を大事に思ってくれてるものね。」
九十九路の羅針盤(illust/60865485)
2017-04-25 14:42:27 +0000