ミラノ交通局→ミラノ交通5100形(Serie 5100):
第二次大戦によって、ミラノ市電もまた被害をこうむったが、その復興の段階において輸送力を確保すべく
車輛の新造が急務となった。かくして1947年にミラノ交通局(ATM=Azienda Trasporti Milanesi、2000年に株式会社化)が
誕生させたのが5100形で、製造はアンサルド(Ansaldo)、電装品はCGE(Compagnia Generale di Elettricità)が担当。
線前期にアメリカのPCCカーを参考に作られていた高性能車5000形(Serie 5000)をさらに改良した車種という位置づけで、
駆動方式にはカルダン駆動を用いている。運転台は片側にしかなく、したがって車輛前面は2枚窓でヘッドランプがあり、
非運転台側は3枚窓でテールランプとウィンカーが取り付けられている。
出入り口も進行方向右側面にのみ3か所設置されており、反対側面は窓ばかりである。
これはミラノ市電に限らず、欧米における多くの路面電車の場合、折り返しの際にはループ線を
用いるのが一般的なため。
5101~5137号の計37両作られた。1951年からはほぼ同じ車体の出力増強型である5200形(Serie 5200)の製造に移行している。
5100形はおもにブレッソ地区で運用された様子。
しかしモータリゼーションの波はミラノ市にも押し寄せ、市電は存続しているもののいくつかの路線は廃止あるいは縮小されたため、
多くの車両が余剰になり、5100形は1986年までにほとんどの車両が引退に追い込まれた。
現在は5136号と5137号がイベント用として稼働しているほか、5131号がプレコット車庫に保管されている。
なお、5120号は衝突事故で前頭部分を破損しそのまま廃車となった。
2017-03-20 10:19:36 +0000