名古屋電気鉄道デワ1形→名岐鉄道ワ1形→名古屋鉄道ワフ50形:
1912年の郡部線(現在の犬山線系統のルーツ)開業に合わせて梅鉢鉄工(のちの帝國車輛)でデワ1~35号の計35両製造された。
木造ベスティビュール付き単車で荷重6t、台車ブリル21Eでポール集電。
前面部分は窓ガラスが1枚しかなく、非常に特異なスタイルであった。
自車に貨物を積載できるばかりか、さらに貨車を連結することで貨物がそれなりに多い状態でも使用できたのだが、
1918年には有蓋貨車の頭数をそろえるべく14~35号の計22両が電装解除され、ワ1形となった。
この時取り外されたブリル21E台車は、206号形(のちのデシ539形)や100形(デシ100形、のちのモ40形)などの
新造の際に流用されている。
1~13号は1940年に廃車となったのち、車体を乗せ換えて8両がサ50形となる。
残ったワ1形は戦時中の貨物量急増に伴い緩急車が不足したことから、12両が改造されワフ50形51~62号となる。
このうち62号は、客車不足から1943年に客車化改造を受けてサ60形61号となるも、
戦後の混乱が収まるころにはもとの貨車に戻り原番号に復している。
その後は主に貨物列車の一端に連結されて運用された。戦後製の有蓋貨車に比べると背が低く小柄であったため、
非常に独特なムードがあったという。
貨物減少から1980年ごろには全廃された。
2017-03-19 04:20:12 +0000