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結局、ポルツは自分の願い事は口に出すことはなかった。
照れくさいような願いだったのか。それともからかいすぎてヘソ曲げたかな、なんて苦笑いをしつつ、彼は空を見上げた。
闇夜の中にひらりとはためく願い星はまだ見えた。
『流れ星が消える前に三回願い事を言うと叶う』。どこかで聞いた言い伝えが、ふと頭をよぎった。
「かみさまに願うことを迷ってるのかな?」
ちょっぴりためらったような表情をした少女に、彼は問いかける。
しばらくともに教会に暮らした彼は、彼女に遠慮がちなクセがあったのを知っていた。
「元来、祈りとは己の救済のために在るものだ。ゆえにそこに優劣などなく、……っとっと。
まあ、つまりアレだよ。祈る時くらいは遠慮などなく自由であるべきってこと」
だからこそ、今はまだ彼女の本意を導く存在が必要なのだと彼は考えている。
立ち止まった時に、一歩前に出て、それでいいんだよ、と手を伸ばす存在が。可能ならば、自分がそうありたかった。
……ちなみに、難しい言葉を使いたがる自分のクセの方は、まだ当分治りそうにないようだ。
「その方が、助ける側も色々とやりやすいしね」
空を見上げているうちに、つい、と夜闇を飛ぶポケlモン達を見た。
その様も、ああ、流れ星のようだ。
あの子達もまた、暗闇を切り裂き、誰かの願いを叶えに行くのだろうか。
ならば、そんな彼らにまた祝福あれと願うことくらい。例えば彼個人の勝手な願いとして、祈るくらいはいいはずだ。
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【illust/61315633】より!!!
*イベント支援
お星さまから願いを【illust/61098934】:末尾「5」につき2×2=4枚
古空ノ大樹と平和を願う者たち【illust/60954186】:こちら【illust/61176376】を見かけて団員描写を
*お借りしました
ポルツちゃん【illust/57757109】 ロマーノさん&リマーノさん【illust/57709023】 ドラセナさん【illust/57722224】
*司教【illust/60979161】
2017-02-10 04:49:36 +0000