こちら【illust/59811563】の企画に参加させていただきます。
「子連れ狩人のフリッツ」
海のように風に煽られうねる草原を渡り、地平の先に見える森を目指す。
舗装された石畳は今越えた丘で途切れた。ルアドロエサ領に入ったのだ。
ルアドロエサにも舗装された道が全く無いわけではない。
国の中心部や他国の人が訪れる区域等は整えられている。
農林業や狩りを主として生計を立てる者が多いからか土が剥き出しの道が目立つ。
それらを踏破するのはもはや日々の生活の一部なのだ。
「随分立派な細工をしてもらったんだね“トイヘッド”」
「僕は修繕と再付加の依頼しかしてなかったんだけどね」
「素敵じゃない?今のフリッツなら魔術も扱えそうな見てくれをしているわ」
「ちょっと馬鹿にしてる?」
浅葱色のコート、白いスカーフ、“トイヘッド”と呼ばれる戦鎚を肩に預け先頭を歩いている男の名はフリッツ。
その後ろをはしゃぎながらついて来る赤毛の亜人が、らい。小さい割に大人びて見える桃色の毛の亜人が、ろみだ。
彼らは三人で森での狩りや託児所のようなことをして日々生活をしている。
背景は翔さんからいただいております。
2017-02-04 10:13:43 +0000