【HDミラノ01】黄金都市のインターアーバン【85形】

古淵工機10@RSPI作者?

ロンバルダ電鉄→ミラノ交通局→ミラノ交通85形(Serie 85-92):
1928年、ロンバルダ電鉄(Società Trazione Elettrica Lombarda=STEL)がヴァプリオ線およびヴィメルカーテ線の開通に合わせ登場させた鋼製電車が85形。
製造元はレッジャーネ重工(Officine Meccaniche Reggiane)で、製造元の所在地から
「レッジョ・エミリア形(Tipo Reggio Emilia)」という通称名がある。
直流600V・1200Vの複電圧車で、85号から92号までの8両が作られた。
いわゆるインテルウルバーノ(Interurbano、要するにインターアーバンのこと)向けの電車である。

当初はグリーンのツートンカラーで、車体中央にパンタグラフ、その前後にトロリーポールを備えたスタイルで登場。
市内線の併用軌道区間ではポール、郊外の高速運転区間ではパンタを使用していたようで、
同様の事例は日本でも名電デセホ700形(のちの名鉄モ700形、illust/56393503)などの例がある。
前面は関西の私鉄に見られたような5枚窓だが、曲面ではなく平面を組み合わせたため5面折れの形態である。

側面は採光窓のついた側窓が洒落たデザインであるが、ドアは車体中央に両開き式のものが1か所だけの
センター・エントランスカーとなっている。台車はブリルタイプを基にしたブラウンボベリ製。

1939年のミラノ交通局(Azienda Trasporti Milanesi=ATM。2000年に株式会社化)による
STEL社の買収に伴い同局に継承されるが、形式番号等に変更はない。
以後はミラノ市周辺のインターアーバン路線を所狭しと走り回るが、後継形式500系・800系の登場や
路線の廃止、もしくは高規格化に伴って各線を転々とした。
年代物ゆえに老朽化が進み、1960年に91号、1986年に86号が廃車となった。

91号を除く各車は前面部分の改造や集電装置のZパンタ化などを受けていて登場当時とは顔つきが変わったほか、
白と黄色のツートンカラーを経て現在はオレンジにセピア帯の塗装に変わっており印象を異にする。
ラッシュ時には付随車を4両ほど牽引し、郊外区間を60km/hで疾走する姿が見られる。

2000年には88号が廃車となり、現在は5両が残存する。
このうち85・90・92号がリンビアーテ線のヴァレド車庫、87・89号がデージオ線のデージオ車庫に所属。
デージオ線の87号は登場当時に近いグリーンの塗装になっているが、それ以外はオレンジ色である。

ただしデージオ線は2011年よりLRT化のため運休となっており、87・89号の処遇はわかっていない。

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2017-02-02 12:43:58 +0000