◆星読みの賢竜アルクトス
穏やかに空を眺め、語り、導く古き賢者。
神秘を読み解く力はあるが、己の幸いが分からない。
◆素敵な絆をいただきました。
戀い襲の国 ルピネラ
当代舞手«宵唄»ティエン様【illust/61322629】
賢者は己が悠久の孤独に終止符を打つは同種たる竜ではなく、
またそれに能う尊い生き物でもないと予見していた。
「地を這う人の子、お前の内の真なる清きが望むのならば、星光の導きを授けよう。」
「私の抱く星々の輝きを求め訪ねる者は数知れない。だがお前は不思議と私に与えることを求める。」
「お前は、触れることすら許さぬ私を恋うというか。
人の俗を、人の色を忌避する私を、その心のみで恋うというか。
……その清きことに偽りあれば、我が元には添えぬ。
私がお前の目に、心に映るうちは、お前を受け入れよう。」
「……私は尊き者ではない。ひとつの無垢な獣であった。
それを尊く孤独な生き物にしたのは他ならぬ人の子だ。
そうであれば我が孤独を断ち切るのも人の子の業であろう。
天上の尊き者ではなく、寄り添う無垢な獣にお前の愛を与えてはくれまいか。
ティエンよ。我が手中の粃に触れ、真なる尊きを宿させてはくれまいか。」
九十九路の羅針盤【illust/60865485】
2017-02-01 13:09:43 +0000