昨日・1月17日は、西暦1991年の『湾岸戦争』や、西暦1995年の『阪神淡路大震災』など、日本国内・国外に様々な「災厄」が起こった日でもありますが、その一方では、1月17日がお誕生日になった方々もいます。
今回のイラストは、西暦1980年(昭和55年)の『ニルスの不思議な旅』の本放送当時、ニルスを熱演されました小山茉美さんに宛てて、西暦2015年(平成27年)に送った、バースデイ・カードが原版になっています。小山茉美さんは、1月17日がお誕生日です。
1日遅れになりましたが、小山茉美さん、お誕生日おめでとうございます。
投函する前に撮影したバースデイ・カードの一部を、トリミング加工してリサイズしました。
イラストが、やや明るめに見えるのは、デジタルカメラのストロボ撮影によるものですが、撮影した際には、先に書きましたタグに合わせて、なるべく明るくしました。
西暦2015年(平成27年)に、今回のイラストの原版である、小山茉美さんに宛てて送ったバースデイ・カードを描いた当時は、西暦1995年(平成7年)1月17日に発生した、『阪神淡路大震災』から、西暦2015年(平成27年)で20年になりましたが、同時に、『ニルスの不思議な旅』が、西暦1980年(昭和55年)に放送されてから、本放送35周年を迎えた事も、考えていました。その結果として、今回のイラストのような構成になりました。
喜びも、悲しみも、楽しみも、苦しみも。
『ニルスの不思議な旅』のニルスと、ハムスターのキャロットは、第1話で妖精にかけられた魔法が、最終回で解けて、元の身長に戻り、アッカ隊長が率いる雁の群れと決別した後の姿にしていますが、ニルスは最終回から少し経って、やや成長した姿にしています。
例によって例のごとく、ニルスの髪型と瞳の光、シャツの襟は、アニメとはやや異なりますが(襟はわたしの独断で変更しています)、全体的にアニメそのままの姿を損ねないようにしました。特に、強さと、優しさと、凛々しさを備えて、大きく成長した後の姿ですから、無邪気な笑顔でも、大袈裟にならないように、或る程度抑制しながら、注意深く表現して描きました。
トレードマークである毛織の三角帽子は、帽子の後端と、帽子の後端に装着されたもう一つのトレードマークである、金属製のホイッスルを、背中に垂れているように表現しました。
季節にマッチさせて、アニメと同様の衣裳の上から、ウールメルトンのロングコート(!!)を羽織った姿に、アレンジしています。
ウールメルトンのロングコートは、極力「分厚く」見えるように、あまり皺を付けないで表現していますが、スウェーデン王国を始めとして、ノルウェー王国とフィンランド共和国を含めた、北欧・スカンジナビア半島の冬季の気温は、かなり低いでしょうから、その気温にも耐えられるような「分厚い」ロングコートを羽織らせてみるのも面白そうだ、と考えたからです。
ウールメルトンのロングコートに加えて、ウールのマフラーも巻かせてみようとは思いましたが、それは別の機会に、改めて描いてみたいと思います。ロングコートを羽織るだけでも、十分なインパクトはあるでしょうから。左手はポケットに入れています。
そしてまた、ロングコートという関係から、ニルスを熱演されました小山茉美さんが、後に演じられました、『ブラック・ラグーン』のバラライカも、少し意識はしています。
ニルスは、「すっく」と立っている姿で描きましたので、凛々しく見えるでしょうか?
ニルスが、アニメと同様の衣裳の上から羽織っている、ウールメルトンのロングコートの左肩にいる、ハムスターのキャロットは、陽気に振舞うさまを意識しながら、慎重に描きました。
ニルスとキャロットの、バックに建つ建物は、兵庫県神戸市北野町3丁目にある、『神戸市風見鶏の館』(以下、『風見鶏の館』と表記)です。『ニルスの不思議な旅』の本放送の2年前・西暦1978年(昭和53年)1月21日、国の重要文化財に指定されました。
神戸市と言えば、「これだ!!」と思っていました。事実、『風見鶏の館』の尖塔と風見鶏は、神戸市の観光ガイドブックやパンフレットなどのトップに使用される事が多いので。
『阪神淡路大震災』で、『風見鶏の館』はほぼ全壊しましたが、元の建材を70%以上使用して、再建された事により、重要文化財の指定を取り消されずに済みました。
『風見鶏の館』は、再建後の現在の屋根は、やや白っぽくなっていますが、今回のイラストでは、神戸市の人々の気持ちを尊重する意味で、敢えて『阪神淡路大震災』以前の、在りし日の姿を再現しています。
しかしながら、いざ『風見鶏の館』を描く際には、手元にあまり資料がなかった為に、或る書籍の写真を参考にしましたが、定規も使用する事なしに、全面的にフリーハンドで描きました。出来上がった後で改めて見ますと、少し不自然になってしまいましたが。
ニルスとキャロットが立っている場所は、『風見鶏の館』が見下ろせる、北野天満神社の境内です。左下の緑は、北野天満神社の境内の生垣です。『ニルスの不思議な旅』では、背景美術が重要にもなります。
神戸市に出かけた折に、『阪神淡路大震災』の追悼行事に参加した後、北野天満神社にお参りして、その際に記念写真、というイメージで描きました。
例によって例の如く、着色は殆どマジックを使用していますので、陰影は付けていませんが、何よりも原版が、ニルスを熱演されました小山茉美さんに宛てて送った、バースデイ・カードですから、イラストはなるべく明るく、爽やかな色にしました。
ニルスが羽織っている、ウールメルトンのロングコートは黄土色で、一見すると、地味に見えるでしょうが、バックの『風見鶏の館』との調和を考えた上で、黄土色に決定しました。
ニルスが、アニメと同様の衣裳の上から、ウールメルトンのロングコートを羽織って、『風見鶏の館』をバックにして、「すっく」と立ちながらも、穏やかな笑みを浮かべている姿は、
「阪神淡路大震災は、悲惨な災害でした。それでも、大勢の人々の様々な尽力によって、被災地は復興して、活気も戻りました。東日本大震災や熊本地震の被災地も、いつか復興して、活気が戻る事を願ってやみません」
という気持ちの表明でもありますが、ニルスはきっと、被災地にも出かけますし、非常に和やかな雰囲気になる事でしょう。
今回のイラストは、小山茉美さんのバースデイ・カードとして描いただけではなく、年代に関係なく、同じ1月17日がお誕生日になった方々への、わたしからの「バースデイ・プレゼント」にしたい事と、兵庫県神戸市の皆様に捧げる事という、二重の意味を込めながら、描きました。
出来る限り、力を入れながら、極力丁寧に描きましたので、皆様にお気に召して頂けましたら幸いです。
そして、1日遅れになりましたが、1月17日に生まれた皆様、お誕生日、おめでとうございます。
2017-01-18 03:00:03 +0000