「ずいぶんと派手に祝うもんだね」
スラム出身の自分には不釣り合いな、煌びやかな世界を前に踏み出す勇気なんて持ち合わせていなかった。楽しそうに過ごすみんなを見るだけで精一杯で、強がってふるまいながら、会場に入れずにボクは目の前に広がる「異世界」を眺めていた―-―
こちらの企画内企画【illust/60062938】に参加させていただきます。
アッセリスを祝う知識はあれど、パーティーなどに参加したこともなく、正装したのも人生で初めてという猿です。初めて魔法道具のブーツも脱ぎました。
*素敵なお相手様パートナー兼未来の恋人様との出会いを果たしました!
ジンジャー=シャンディさん【illust/60236812】
華やかな場所は居心地が悪くて、テラス近くに席を外していた。すると人々がざわめく声が耳につく。
その中心にいたのは、大人びた紺色のドレスに身を包んだ、華やかな赤髪の少女だった。うずくまっていることに、みな気付いてるのに誰も手を差し出さない。脚でもくじいたのか、彼女は立とうと姿勢を動かすも立てる気配がなかった。
――― 目立っちゃって、まぁ…
そう、思っていたのに。
「ごめん、ちょっと遅れちゃった!似合うねぇ、そのドレス」
約束なんてしていなかった。注目を浴びるのなんてまっぴらだった。でも。
気付いたら、人込みを搔き分けてボクは彼女に手を差し伸べていて。
「さあ、一緒に踊りに行こう!」
踊ることなんてできないのに、ボクの口からはそんな、不似合いな言葉が零れていた。
∴∵∴ ∴∵∴
「ごめん…、言っといてボク、ダンスとか踊れないんだよね」
「こういう華やかな場所はどうにも苦手でさぁ…あ、今笑ったでしょ?」
「二人で、会場抜けだしちゃおうか?」
*通常CS【illust/56420984】
それではよろしくお願いします
2016-12-18 12:29:27 +0000