易者「どうも、美鈴さん。今日もお勤め御苦労様です。」
美鈴「あら、易者さん。何かご用で?」
易者「いえいえ。偶々通りかかったものですから、一言ご挨拶に...おや、こちらの坊っちゃんは?」
美鈴「ああ、この子はお嬢様の新しい従者で、私の『弟子』の、【勇太郎】です。」
勇太郎「何だあんた、妖怪か?」
美鈴「勇太郎、この方は幻想郷の人間を『管理』なさっている『管理者』、易者さんよ。」
勇太郎「人間を...『管理』?」
易者「いかにも。この私が人間の数、文化、規範を管理しておるのです。そのおかげで、幻想郷(ここ)では君の様な『優れた人間』が産まれるのですよ。」
美鈴「易者さんは、『外の世界』をご存知でしたっけ。」
易者「ええ。占術を通して『外』を覗いた事があるのですが、それはそれは酷い有り様でした。」
勇太郎「そんなに『荒廃』してるのか?」
易者「荒廃している訳ではありません。『堕落』しているのです。優れた技術力を持った『外の人間』は、天敵が居なくなり『生きる事が当たり前』になりました。その結果、『進化』を止めてしまったのです。」
勇太郎「進化を...止める?」
易者「世界中に多くの人間が産まれ、それぞれの文化、規範、価値観を持ちました。しかし、多様性はあっても協調性は無い!技術の進歩はしても、人間としての『進化』は無い!そんな世界なのです。」
勇太郎「はぁ...?」
易者「解りやすく例えるなら、それは『管理者のいない荒れ果てた畑』。雑草だらけ、害虫だらけで、枯れかけたものや育ちの悪いものを摘み取る事もしない。そんな状態では、良い作物を収穫する事はできん!という訳ですよ。」
2016-12-02 11:26:14 +0000