傭兵:「そーら、敵さんが食い付いて来たぞ!! 各機、敵航空機に注意し迎撃開始だ!!」
艦娘達:「了解!!」
五月雨:「(…とは言っても…)」
実はこの隊は本隊ではなく敵を出来るだけ多く引き付ける為の囮だ…先の大戦で傭兵さんの存在は敵にとっても脅威と認識されたはずだ…その傭兵さんが出て来れば必然的に敵の注意を引き付ける事が出来る…それを利用して別働隊の本隊がカムラン半島の敵を叩く算段だった…なので、此方には加賀さんや山城さん扶桑さんなどの主力級は居ない…既に戦場の制空権は敵に取られ、敵航空機の対処で皆手が一杯だ…
『『五月雨!! 敵直上!!』』
五月雨:「あ…」
誰か叫んで気付く…しかし、遅過ぎた…
投下される爆弾がヤケにゆっくりと見える…
五月雨:「ごめんなさ…あうっ!?」
もうだめだ…そう思って目をぎゅっと閉じ爆音や、砲撃が入り乱れる中でそう呟こうとすると誰かに思い切り突き飛ばされ次の瞬間…
ドカーン!!
五月雨:「うぅ…!!」
爆発と爆風でまともに目を開けてられないが…収まった時に恐る恐る目を開けると…
五月雨:「あ…あぁ…よ、傭兵さん…!」
私を庇ったのは彼なんだ…そう理解出来た
彼は強い…でも、誰かが傷付くモノならその身を挺してでも庇い、傷ついてきた…
五月雨:「どうしてそこまで…私達を…?」
声は震えていた…でも聞かずには居られなかった…私達は「人」ではない「兵器」なのだから…
傭兵:「…「親」は「子」を守るのは当然だろう…? 俺は貴様等を率いる身だ…お前が俺の部下である限り…俺が戦場に出られる限り…可能な限り「我が子」は守らねぇとな…?」
あぁ…この人は別の世界でも人々にこうやって接してきたのだろう…兵器である私達でも関係なく…だから「暖かい」んだ…
五月雨:「傭兵さん…!!」
傭兵:「泣くな…泣くな…無事に終わらせて…皆で帰るぞ?」
五月雨:「はいぃぃ…!!」
あぁ…どうして此処の鎮守府の皆が彼に心酔するのか…分かった気がする…この人なら私達は…
この後、奮戦し切り抜け、別働隊から無事にカムラン半島制圧の報告の際に主力の皆から怒られる傭兵であった…
傭兵:「俺、頑張ったのに…」
浦風:「無意識に他の子を口説くからじゃ!」
2016-11-30 13:47:41 +0000