【花冠】フランベ【マドイビト】

タイヤ
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企画【花冠を戴く者】にマドイビト3人目を失礼いたします。

■フランベ・マグマ―レ
いつも笑顔を絶やさぬ移動菓子屋幻影の竈の店主。
敵見方問わず客として接し、菓子や酒を振舞っている。

■現行世界
今はもう昔のフランベ【illust/58877398
妻:不知火さん【illust/58751885】 マドイビト【illust/60182850】(IF)
※不知火さんの扱いに関しましてはトク様のご許可をいただいております。

■スキル
「スキルなどという大層な技術は持ち合わせておりません」

■心に残るもの:熱き血潮
たまに思い出してしまうあの情熱にあふれた日々。
またあの感覚を思い出す事ができたら、などと思ってしまう。

■呼応関係結んでいただきました!誠にありがとうございます!
言葉はいらない。存在知らぬ孫 空亡さん【illust/59824135

作る、稼ぐ、作る、稼ぐ。
もう何のために繰り返しているのかもわからないルーティンワークも新しい販路を得たことによって順調に繰り返し続けることができていました。
人目を避けつつ商売を繰り返していましたが、ついにある日付近を哨戒中であった1人の武人に見つかってしまいました。
……交渉事の通じない人の話を聞かなそうな人物に見えました、正直苦手なタイプです。
それはお互い様かと先手必勝、営業スマイルを作り無言で武器を振り下ろす。
しかし見透かされていたのか弾かれ一閃、私の体は切り伏せられ血の代わりに黒い炎が溢れ体を焼きました。
この身体は便利だ、なにせどんな危険からも逃げることができるのですから。
彼と武器を合わせた時、何か血が沸き立つような感覚を思い出してしまった気が……ああ、いけないお腹が空いた。

それから私の行く先々で彼と出くわしてしまいました。
彼と武器を交えるたびに体が消耗する、避ければいいのに逃げればいいのにどうしてもそれができない。
ああ、お腹が空く。お腹が空く。満たされない……何が。

彼と戦うのは楽しかった。ずっと昔に忘れてしまった高揚を思い出すようだ。
彼と戦うのは悲しかった。魔王の力を得てなおも非力な自分を見せつけられるようだ。
彼と戦うのは恐ろしかった。何か、いけないことを思い出してしまうような気がして。

私は何故彼を傷つけてはならないと知っている?
私は何故あの手の恐ろしさを覚えている?
いけない、いけないと思うのに口を塞ぐ菓子が今は無い!

私は楽しかった。彼女と過ごしたあの日々が。
私は悲しかった。彼女の熱が零れ落ちていくのか。
私は恐ろしかった。彼女を失ったあの世界が。


「……しら、ぬ、い……」
呟いてしまったが最後、閉じ込めていた数十年分の感情が一気にあふれ出てしまう。
炎へと変わった強い強い制御の利かない感情がこの身を焼き尽くしていく。

「あ、あぁ……ああぁあああああああああ!!!!」
どうして忘れようとしてしまったのでしょう、彼女にはあんなにも忘れてくれるなと願ったというのに。
走馬灯のような感情が駆け巡る中鋭い金属音と共に槍が弾き飛ばされ、身体が地に引き倒される。
首に短剣の冷たさが伝わる中、私はようやく彼の顔をまともに正面から見ることができました。

「……おみごと、降参です」
「とどめをささないのですか……まぁ今の私にはその価値も無いと言ったところですかね」
溜息と共に炎を吐く。炎の色は赤い色をしておりました。

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「やぁどうも、こんにちは! 探しましたよ約1年ぶりぐらいですかね、私のこと覚えています?」
「どうもねぇそろそろこの世界から弾き飛ばされる予感がするんですよ、その前に貴方にお礼を申し上げたいと思いまして
……ありがとうございます、貴方のおかげで私は大切なものが奪われるのを守ることができました感謝してもし足りないぐらいです」
「甘い物はお好きですか? それは良かった、これ私が作ったお菓子の詰め合わせですこんな大きなバスケット初めて作りましたよ
えーとそれからパウンドケーキとワインとそれから……ん? 何言ってるんですか貴方、力持ちそうだしこれぐらい乗せても平気でしょう?
ああでも腕から零れ落ちそうですねじゃあこっちは尻尾に引っ掛けておきます、この鎧の隙間にも入りそうですね失礼!
はい?多すぎる? そりゃそうでしょう今までため込んでた材料類ほとんど使っちゃいましたからねぇ
……菓子職人を、廃業しようかと思いまして かつての誓いを破り菓子を争いの道具にしてしまったけじめです」
「私の精一杯の嫌がら……こほん、感謝の気持ちですから、食べきれなければ家族でも友人でも同僚でも誰かにあげてもいいですよ?
あっはっは、今すっごく嫌そうな顔しましたね!?」
「……そろそろ時間のようです、改めて本当にありがとうございました 最後に、名前を聞いてもいいですか?」
「ははっ、そうですか……合点がいきました、偶然では無く私があなたの元に出向いていたのですね
貴方に救いを求めてしまうとは私はどこまで欲深いのか……
私と戦ってくれてありがとう空亡くん さようなら、もう二度と会うことは無いでしょうが……どうかお元気で」

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「ここは……どこでしょう?」【novel/9115352】※IF話

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2016-11-28 17:18:32 +0000