私はテルゥ。夜道を照らすともしび。闇夜を導く道具……誰にも用いられず、顧みられなくなれば、朽ち果てゆくだけの……ただの、道具。
誰かのために輝くことが、私という存在の意味であり、喜びであり、根拠。―――そして、誰からも必要とされなくなったときが、私の死。
そんなことはずっと前からわかっているつもりだった。受け入れているつもりだった。……でも、全然そんなことはなかったんだ。
きっと、心のどこかでずっと不安だった。「私はいつまでここにいられるのだろうか」「みんなは私を本当に必要としてくれているのか」って。
私は、道具としての自分のさだめを受け入れることが出来なかった。消えゆくことを恐れ、消えたくないと願ってしまった。……だから、求めたんだ。私を使役する、あの声を。私の存在を確かにこの世に繋ぎ留めてくれる、あの声を……!
気づいたんでしょう?わかったんでしょう?私の本当の気持ちに。
そうだよ。もうわかった。何もかもがわかった!今までの私の言葉も、振る舞いも―――
「全部全部、欺瞞だったんだ!!」
◆前回(illust/60066075)の続き。思考の絡まりがほぐれ、感情と言語を取り戻しました。それでも暴走はいまだ止まりません。感情をとめどなく溢れさせながら、周囲を一層ばんばん燃やします。
◆その答えは彼女(illust/60004886)に何をもたらすのか
2016-11-26 02:39:58 +0000