胸の中で蠢く、どろどろでぐちゃぐちゃで歪んだノイズ雑じりの声は、それでも確たる響きで私に命ずる。
「腕を振るえ」「炉を燃やせ」「全てを灰燼に帰せ」―――と。
(目の前に立つのは、日々を共にした仲間なのに。)
(苦楽を共に乗り越え、ここまで支え合ってきた仲間のはずなのに。)
ああ、憎しみでどす黒く染まったその響きに、私は逆らえない。
だって、その声に従うだけで、何もかもが軽い。足も、体も―――心も。
(どうして。なんで。私はこんなこと望んでいない。)
(私の望みは、私の願いは――――――)
―――私の願いは、なんだ?
私の声が、私の中でこだましてゆく。
◆戦場で無差別に炎を撒き散らしています。
◆語らぬ焼殺装置(illust/60004886)
2016-11-19 14:33:28 +0000