揚陸作戦時、迅速な奇襲性のみを追求するのであれば空挺降下に優るものはない。しかし、空挺部隊は軽装備に留まらざるを得ず、火力と装甲防御という点を欠くために、重装備を備えた敵防御部隊に対しては脆弱になった。一方で、かねてより運用されていたエアクッション艇1号型では主力戦車を1両しか輸送することができず、また、武装も施されていないため展開時に非常に敵からの攻撃に対して貧弱にならざる負えなかった。そのため本型には強力な制圧兵器と兵員輸送能力を備えている。車両搭載用のランプはLCAC同様、艦首と艦尾にあり、1隻に戦車なら3両、歩兵戦闘車なら8両を搭載することができる。
また、対艦ミサイルなどの攻撃に対しては自衛用の30mm機関砲や、チャフフレア発射機があり、敵地上部隊からの攻撃には、ハイドラ70 19連対地制圧ロケットによる面制圧で、揚陸部隊に火力支援を行うこともできる。本型はロシア海軍のポモルニクエアクッション揚陸艇を参考に開発され、東側と西側の利的協力により開発された。
しかし一方で、エアクッション艇1号型と同様甲型にも航続距離の短さが欠点としてあった。エアクッション艇1号型はドック型揚陸艦や強襲揚陸艦など母船から展開することで欠点を補っていたが、本型は搭載量を増やし大型化したためドック型揚陸艦には収容することができなかった。そこで開発されたのが海上基地機動揚陸プラットフォームであり、前進中間準備基地として利用される本型である。
でじま型は半潜水Float on/Float off方式で、艦体自体を水中に沈めることで艦腹にエアクッション艇を直接収容することが可能となっている。エアクッション艇レーンには1号型では3隻、甲型では2隻を同時に運搬展開ができる。艦左舷は桟となっており海上輸送船等からのRO-ROランプで本艦に車両や物資を搭載でき、艦前部甲板には大型ヘリコプターの発着ができるポジションが4箇所設けられ、運搬された物資等をエアクッション艇に載せ揚陸するという一連の流れが可能となっている。
そのため、揚陸作戦中限られたエアクッション艇を母船の揚陸物資がなくなったからと前線を離脱するロスがなくなり、また迅速に大量に揚陸活動が行えるようになった。
性能諸元(2番艦わかえ)
排水量(満載):34.5kt
全長:248m
全幅:67m
速力:18kt
航続距離:5,000海里
兵装:高性能20mm機関砲 1基
艦載機:なし
艦載艇:エアクッション艇1号型 3隻 又は
エアクッション艇甲型 2隻
8メートル級特別機動艇 2隻
救急救命艇 4隻
命名基準:人工島の名前より 出島、和賀江島
性能諸元(エアクッション艇甲型)
排水量(満載):0.5kt
全長:48m
全幅:26m
速力:65kt
航続距離:540km/55kt
兵装:30ミリ単装機関砲 1基
ハイドラ70 19連対地制圧ロケット 2基
搭載量:歩兵300名または10式戦車3両あるいは89式装甲戦闘車8両とその搭乗員80名
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ポモルニク型エアクッション揚陸艇って東側っていうかっこよさがありますよね。
2016-11-13 07:55:38 +0000