【ポケフロ】3叫目【彼の神は誰がために?】

ミヤ@企画もbkmもゆっくり
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※ネタバレ注意(公開情報①)












末尾ID【2】

こちら【illust/59625900】で精神分析(物理)をしていただいた結果、正気に返るどころかセフィルさんに恐怖を抱きました!
その後自力で我に返ったアイスは、こちら【illust/59745861】にて近くで発狂しているファビィさんに精神分析を行いました!
(精神分析での発狂解除ではないため、アイスはカウントが1溜まりました。)
illust/59700491】での展開も少し触れています。

お借りしました!
セフィルさん【illust/58950401
ファビィさん【illust/57733520
ヤツカさん【illust/57707685
晴さん【illust/57711402

発狂してる間のことを忘れている【illust/59424350
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ふと我に返って、まず認識したのは頬のヒリヒリとした痛み。
次に口の中で広がる錆の味、そして僅かな喉の違和感。
俺は今まで何をしていたのだろう。
確か部屋に入って、部屋一面の紫を見て、それからトカゲの女性に殴られて……。

正気に返った男は部屋に何があるのか確認するため、キョロキョロと辺りを見回す。赤い蜘蛛の紳士が静かに涙を流している兎のような少女に話しかけている。その傍らで、外套を纏った妖精のような少女が延々と意味がなさそうな言葉を吐いている。
少女たちの事は、あの紳士に任せて大丈夫かもしれない。男はそう思うことにした。
更に視点を変えると、先ほど男の頬に拳を入れたトカゲの女性が、自らの口から勢いよく吐き出す炎で壁を燃やしている。
こんな密室で火を放つという正気を疑うような行動に、男はひしひしと恐怖を感じていた。彼女はダンジョンに呑まれた者と同じなのだろうか。そうでなければ、自分を殴った挙句に密室のような空間で放火するなんて犯罪行為は出来ない。
こんな空間に居られない。
男が部屋を出ようと方向転換すると、何かにぶつかる。男がぶつかった物を確認するために風鈴のような身体を上げると、電子機械のような姿の誰かがトカゲの女性の方を見るようにふわりと浮かんでいる。
「おいあんた!そんなとこで突っ立って……」
男は文句の一つでも言おうとするが、言葉を止める。
「オイアンタ!ソンナトコデ突ッ立ッテ」
電子機械のような姿の誰かが、男の吐いた言葉を真似て返した。
「…ちょい待ち。どうしたんだ、あんた」
「チョイ待チ。ドウシタンダ、アンタ」
「……」
目の前の誰かは、表情が変わりづらい種族故か喜怒哀楽が読み取りにくい。
それでも男は長年医師として大勢の患者と接してきた経験からか、目の前の誰かが恐怖に染まって怯えているように見えた。
「あんた……おじさんの顔を見ぃ」
「アンタ……オジサンノ顔ヲ見ィ」
男が電子機械のような姿の誰かの顔の高さまで浮かんで向き合うと、真似をするように男の顔をじっと見る。
男がゆっくりと一息吸って、ゆっくりと吐く。また一息ゆっくりと吸って、ゆっくりと吐く。
目の前の電子機械のような誰かも、同じように、ゆっくりと一息吸うような動作をして、ゆっくりと吐くような動作をした。
「(俺、精神科医ではないんだよな……。深呼吸して落ち着いてくれたらいいんだけど)」

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2016-11-08 09:06:51 +0000