◆こちらの素敵な企画(illust/57794659)に引き続き参加させていただきます。
―俺はきみの言葉が聞きたいんだ―
◆ルッツ
Pナンバー:7
男性/178cm/一人称:俺/二人称:きみ
◆第三期で『好きな季節(秋)』『好きな時間(昼)』を思い出した。
◆固有能力:思ひで探し
他人に知られたくないあるいは忘れてしまいたい自身の思いや感情を宝石として生み出すことができる。
出された思いや感情は本人の中から消え、少しずつ忘れていく。他人の感情や思いは抜くことはできない。
◆関係者様
【第一期】ナスキータ君(illust/59874855)
「こうも何もないときみと出会った頃を思い出すな。
こんな状況だと楽しいことを見つけるのが上手いナスキータでもさすがに飽きるかな?」
【第二期】パルティシオン君(illust/59846297)
「きみにはこの場所はどんな風に聞こえるんだろう。
俺の耳では向こうの大地の声は聞こえないけど、ティオには光として見えるかな?」
【第三期】如月君(illust/60034261)
「洞窟の中と違ってここは明るいけど、こんな明るい日の元なら如月を女性と見間違えなかったかな?
なんて、こんなこと言ったらまた怒らせちゃうだろうな」
◆ルッツの思い出(novel/7125070)
※ミスがありましたので再投稿させて頂きました。
◇
長いこと歩いたけど、俺のいる場所には俺以外はいないみたいだ。
「一人はつまらないな。また、飽きることに飽きてしまいそうだ」
誰に話すわけでもなく、ただそう呟く。そうすると肩にいた生き物が耳元で喚きだした。
「そういえば、一応きみがいたな」
色々なものの声が聞こえるようになったけど、この生き物の鳴き声だけは何を言っているかわからない。
肩に乗ってる生き物と目が合うと生き物はいっそう喚いた。
耳元で喚かれるのにうんざりして、思わず空に向かって投げ捨てようか考えたけど、すぐにやめた。
旅の始まりからずっと持っていた種がやっと咲いて、そこから出てきた生き物を捨てるのは今までの旅を否定するようで嫌だった。
「お腹が空いたのか?」
生き物に尋ねれば、生き物は一声鳴いた。暇つぶしもかねて生き物の食べれそうなものを探すことにした。
◆◆◆
一人というせいもあるのか生き物の餌探しにすぐに飽きていた。
飽きることに飽きる前に、気づけばその感情を宝石として捨てていて、地面に転がった宝石を手に取ろうとすると生き物が宝石に近寄るなり飲み込んだ。
『ルッツは本当に飽き性だね』
どこからともなく声が聞こえて、思わず周りを見渡した。すると、声は楽し気に言った。
『周りを見渡さなくても、僕は目の前にいるよ』
「……きみか」
目の前の生き物を見ると頷く代わりに、生き物は小さく尻尾を振った。
『やっと、僕の言葉が聞こえたんだ?あのね、僕は君が生んだ宝石しか食べれないんだよ』
「どうして」
『さあ?ねえ、ルッツは感情や思いを宝石にすると忘れちゃうんでしょ?
でも、僕はきみと違って、忘れることが出来ないみたい。分かりやすく言うと、書きなおしが出来ない日記的な?』
「なんで疑問形なんだよ」
『しょうがないんじゃん。僕は文字通り生まれたばかりなんだから、何も知らないのは当たり前でしょ?』
「俺の日記……ね」
前よりも記憶を捨てる気が減っても、やはり衝動的に宝石として捨ててしまう俺にとって、ある意味都合のいい存在だ。
「じゃあ、これ。食べてよ」
俺が差し出した三つの宝石を生き物が大事そうに両手で持って、俺を見上げた。
『これ、ルッツの大事な思い出でしょ?』
「そうだよ。俺にとって、とても大事な思い出だ。だから、きみに渡すんだ」
そういって笑う俺に生き物はそれ以上何も言わず、三つの宝石を平らげた。
◆◆◆
生き物を再び肩に乗せて、遠くにある大地へと視線を向けた。
再び真っ新になっていく記憶の中で、俺は一つの呪文を思い出した。
その呪文をかすかに口ずさめば、不思議と目の前の空を渡れるような気がした。
「それじゃあ、行こうか。シルシ」
肩に乗っている新たな旅の仲間と共に空へと足を踏み出した。
◇一人旅の末、呪文を思い出しました。
また、不思議な生物の正体に気付きました。
飛ぶための力⇒『呪文』
◆四ヶ月お疲れ様でした!
白紙の状態から徐々に記憶を思い出す方、新しく記憶を刻んでいく方と色々な形で旅をしていく皆様をご拝見出来て楽しかったです!
至らぬ点は多々あったと思いますが、今までご縁を結ばせて頂いた央羽しず。様、くろ様、はくぎんか様
そして、毎期素敵なシナリオと世界観を提供して下さった主催様、見てくださった方々にたくさんの感謝の気持ちでいっぱいです。
重ね重ねですが、四ヶ月本当にありがとうございました!
◆何か問題などありましたら、お手数ですがメッセージにてご連絡をお願い致します。
2016-11-06 07:57:11 +0000