鈍にとって夜は、仕事の山を崩す時間だ。
顔見知りがおり、尚且つ仕事中毒と勘違いされて(あながち間違ってもいないのだけれど)放り込まれたここでも、それは変わらない。
日中は動き回って仕事をこなし、夜は黙々と書類仕事と向き合う。
ずっと昔から変わらない、銀灰鈍のルーチンワーク。
外で雨が降っていようと、彼女は仕事を黙々とこなすだけ。
……けれどその日は、あまりにも雨音が騒がしかった。
まるで泣いてでもいるかのような雨に、一旦、休憩を入れることにした。
「……あれ」
静まり返った病院の廊下。
見覚えのない赤色が、通りすがっていくのが見えた。
(……あんな人、ここにいましたっけ)
企画内企画「雨夜の訪問者」【illust/59777963】
鈍の参加表明です。
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鈍【illust/58934043】
2016-11-05 04:35:05 +0000