静岡鉄道21形:
1958年~1961年長沼工場製の14m車。
台車や電装品などは流用品で占められているものの、車体は当時の流行だった湘南型前面を
取り入れた軽快なものである。静鉄最後の小型車両となった。
まず、1958年に21F(クモハ21・クハ21号)およびクハ6号(Ⅰ)として3両が製造された。
21Fは正面中央にナンバーが付き、また側窓は一般的な上段固定・下段上昇式のものを採用していた。
翌1959年にクモハ22号が完成、クハ6号Ⅰはクハ22号へ改番の上でこれと組み合わせ22Fとなる。
この編成から側窓が「バス窓」と呼ばれる形態に変わり、以後21形の基本形態が確立する。
1960年制作の23Fからは乗務員用のドアが設置され、さらに1961年に登場した24Fおよび25Fでは
ベンチレーターが押し込み式になるなど、回を重ねるごとに設計変更がなされているが、
これも小さな地方私鉄の自社工場での手作りであるがゆえなのだろう。
特に25Fは試験的に正面中央に方向幕を付けていたのだが、ヘッドライトのすぐ下であり
夜間にライトの光で行先が見えづらくなってしまったのか、後年方向幕は助士側に移設されている。
1960年代後半にはそれまでのクリームとインクブルーのツートンからクリームと赤のツートンへと変わり
前面運転士側上部にも青色でナンバーが書かれるようになったほか、22F・23F・24Fは助士側に
方向幕を設置するなど、これまた時期によって改造箇所が違い、製造当初から1編成として同じスタイルの車輛はなかったといえる。
1973年に1000形(illust/39891907)が登場すると置き換えられ、全車解体された。
2016-11-03 07:12:22 +0000