※キャプションネタバレ注意(公開情報①)
こちら【illust/59604883】で公開された情報を目にし、ファビィが発狂しました。「周りの言葉、動作を反復」しています。
…結果、こちら【illust/59625900】での精神分析(物理)を反復してしまったようです。セフィルさん本当ごめんなさい。
あとパラレル発生してますすみません【illust/59730621】
ID末尾:【1】
お借りした方
セフィルさん【illust/58950401】
アイスクリームさん【illust/59424350】
絶賛発狂中【illust/57733520】
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閉ざされた部屋の中。ファビィが扉に手をかけようとしたその時、突如その奥から耳をつんざくような音が聞こえた。
否、音ではない。何者かの金切声だ。
「ワワッ!!?」
驚きのあまりファビィは一度取っ手から手を離し耳を塞ぐ。しかし「金切声」が聞こえたというただならぬ状況に、警察であり救助隊の一員でもある彼女は自らの使命を思い出した。
「な、何デショウカ今のは……。モシヤ、誰カ救助ガ必要なポケモンが!!?」
大変だ、すぐに助けなければ。そう思ったファビィは思い切って扉を開け、そして――目に入った部屋の光景に、思わずその動きが固まった。
彼女の視線を釘付けにしたのは、壁一面に貼られた無数の写真。
そう、目の前にあるのは紛れもなく写真だ。様々な風景を切り取り、記録に残した無数の紙。なのにそれは一枚残らず、全面が紫に塗り潰されていた。
紫に塗りつぶされたことで、何が写っているのかも全く見えなくなっている写真。
見えるべきはずのものが見えない。
そこにあるはずの風景、たくさんの風景が一枚残らず。
どうして。
見えない。怖い。何も見えない。見えない。
何も――
「――うるせぇぇっ!!!こんなわけ分からん場所で叫ばれたら余計混乱すんだろがっ!!」
「見えた」のは、全てを見失った彼女の脳裏に唯一飛び込んできた景色は、女性と思われるリザードが白衣のチリーンをはたきながら叫んでいる光景。
「ウルセェ……コンナワケ分カラン場所デ叫バレタラ余計混乱スンダロガ……」
彼女の口から反射的に言葉が紡がれ、直後。
――バシィッ!!
「痛っ!!? 何しやがんだ!!!」
気付けば彼女もまた、そのリザードにビンタを食らわせていた。
「イテ、何シヤガンダ」
意図せずその口から言葉が漏れる。それは先ほどこのリザードのが言ったはずの言葉だ。
「……って、お前も大丈夫かよ!?」
「ッテ、オ前モ大丈夫カヨ」
その異常性に気付いたリザードが彼女に話しかける。が、返って来たのはやはりリザードが彼女に対して投げかけた台詞。
リザードの言葉と彼女の言葉が重なる。
今のは誰の言葉だ。
誰の。
直後、聞こえたのは金切声。
その金切声が自分のものなのか、それとも他の誰かのものなのか。
今の彼女にはもうそれすらもわからない。
2016-11-01 00:51:55 +0000