【ポケフロ】ネクスト【凍てつく心】

運詩@ログアウト

とっくに枯れてた心を、持ってくるお守りみたいだ。

■※二章が終了して、戻ってきた、という時間軸です。
こちら【illust/59453117】でタンファさんに作ってもらい、
こちら【illust/59494782】で店長さんがお買い上げ!ということで、
その流れでロンも飾り紐【illust/59515808】をいただきました!赤い紐に青の石です。
バンダナの結び目と一緒に結ばせていただきました!

■その後ダンジョンへ突入し、こちら【illust/59703215】でねむり状態のララミィさんへ
エンカウントさせていただきました!
倒れているところを発見、放っておけず巻いてきたマフラーを枕みたいに…。
とりあえず目を覚ますかひとが来るまで警戒しておくようです。
不都合ありましたらパラレル・スルーでよろしくお願いします!

■お借りしました
タンファさん【illust/57807940
リンツィー店長【illust/57707883

ララミィさん【illust/59531484】衣装【illust/59530016

ありがとうございました!

ロン【illust/57707952

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空に浮かぶ光の玉が頭の上にやってくる頃、溜息一丁。

厨房が慌ただしく動くのをよそに、そこにはしばしの静寂が訪れていた。
「なんだ、まだ疲れが取れないか?売り上げはよかったのに」
厨房から直結する側からカウンターに羽を置き、落ち着いた口調でなだめるのは、
ここ、朱天言の店長であるリンツィー。
「キいたよー!あそこのイセキのシンエータイサンにもウってあげたんだって?
カわりにモラった鉱石、ほとんどバイくらいのネダンだったね!」
同じく厨房側のカウンターから笑顔で話しかけるのは、店員のタンファ。
その笑顔が向く先には、どう見ても疲労困憊、溜息の主である小さな影が一つ。
「そうだけど…いや、いろいろあって、なかなか疲れが…」
言い切る前に、カウンターに顔をうずめる。同じく店員であるロンだ。
先のダンジョンでは外でも食べられる点心のように加工した食品の行商に動いた。
その道中ひとりのボウケン者の少年と行動を共にし、なんとか帰還したということである。
「…来てくれるといいな」
彼との別れ際、彼のギルドバッジの効果であるテレポート間際に口にした言葉を思い出す。
―落ち着いたら探していた仲間と、ぜひ朱天言に食べに来てほしい。
事の顛末は店長含め出会った店員には話した。
というのも、疲れ切った表情をした小さな影がふらふらと飛んでいたら
事情を聞かずにはいられないのがここの店員たちだろう。
そんなことをぼんやり考えているロンの目の前を、朱が横切った。

「そんなお前さんに、お守りだ」
そのまま目線を上げると、リンツィーが赤い紐のようなものを突き出していた。
「…お守り?」
ついていかない頭をよそに、耳に入った言葉をそのまま繰り返す。
「タンファがな、みんなに作ってくれたんだ。」
「…ここでもウることになったんだけど、店長がカってくれたんだ!」
ゆっくりと状況を整理しつつ、目の前の紐を見つめる。
燃えるような真っ赤な紐が丁寧に編み込まれ、まるで花が咲いているような。
目を引く中心には、ロンの体色のような青色をした石がついていた。
「これを…俺にも?」
「当然!」
若干の食い気味で、眩しい笑顔と一緒にタンファは両手を広げる。
そんな姿にゆっくり口を開く。
元々育ったこことは違う世界では、まず心から言うことが少なかった言葉。
ここに来てからというもの増えてはいるが、いまだ照れくさい言葉。
「…、ありがとう」

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ひやり、と冷たい空気が頬を撫でる。
この間足を踏み入れた(基本足は地につかないが)ダンジョンとは全く違う。
まとわりつくような土煙、薄暗い洞窟で薄ぼんやりと鈍く発光する鉱石。
反対にここはただただ、痛いほどに冷たく、澄んだ輝きを放っていた。
変わらず行商目的で訪れたものの、ダンジョンということは変わらない。
ずっと飛んでいるわけにもいかないので、地面に足をつける。思わず体が震えた。
肌を刺すような冷たさか、自身のタイプによる警笛か、それとも――

紫が、彷徨わせる視界の端に飛び込んだ。
地面を蹴り、警戒しつつその紫に近づく。
それは嫌な事を少しだけ思い出すが、モチーフにした服のようだった。
浅く上下を繰り返すところを見ると、幸い行き倒れというわけではなさそうだ。
「…」
数秒思考を巡らせるが、それも諦める。
寒さが厳しいと聞いて巻いてきた布をなんとか羽を使って取り外し、
そっと地面と頭の間に挟み込ませる。
見てしまっては、放っては置けない。
(ヤバそうな奴だったら逃げればいいだろう)
自身でも楽観的すぎる考えに溜息をつき、再度周りを見渡すのだった。

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2016-10-30 13:18:02 +0000