【白紙日記】ルッツ【第3期】

樺宮
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◆こちらの素敵な企画(illust/57794659)に引き続き参加させていただきます。

―自分の弱さと向き合おうって決めたんだ―

ルッツ
Pナンバー:3
男性/148cm/一人称:僕/二人称:きみ、名前呼び(長い名前には勝手に愛称をつける)
◆第二期で『聴力』『手袋』を得た。『果実』を分け合った。
◆固有能力:思ひで探し
他人に知られたくないあるいは忘れてしまいたい自身の思いや感情を宝石として生み出すことができる。
出された思いや感情は本人の中から消え、少しずつ忘れていく。他人の感情や思いは抜くことはできない
◆前期(illust/58811564)

◆10/6 大人な見た目に子供っぽさが残っている雰囲気に親近感を覚えたご友人
如月君(illust/59313187)
洞窟を歩いていくと洞窟の中にある植物や鉱石の光とは違う光を見つけた。
その光の傍によると大蛇を連れた僕よりも身長が高い変わった見た目をした女性がいた。
ちょっとはしゃいでいるような雰囲気が大人っぽい見た目とちぐはぐで面白くて、傍にいる大蛇の存在にも興味がわいた。
「ねえ、お姉さん一人?僕はルッツ。何か嬉しい事でもあったの?」
そういって僕は今までと違って素直に笑って見せた。
◆◆◆
共に進まないかと言う彼の言葉は一人で洞窟を出てもつまらないと思っていた僕にはちょうどよかった。
「うん、いいよ。ちょうど一人でつまらなかったんだ」
女性と思って声をかけた相手は男だった。理由が分かった上で見る表情の変化がなんだか面白くて僕はもう少し彼をからかって遊ぼうと思った。
「如月の髪は綺麗だけど男にしては長いし、睫毛も長いから遠くから見ると女の子に見えるね」
そういうと今度は怒ってしまった。初めて向けられる怒りは新鮮だったけど、事実を否定されたことに納得いかなかった。
「そんなに怒らなくてもいいじゃん。まあ、僕もちょっとだけ言い過ぎた……かも。ごめん」
「どうしてきみは大人っぽく振る舞おうとするのさ。子供と大人で区切る必要性がわからないよ。そんなので区別したところで僕は僕だし、如月は如月じゃないか」
「如月は優しくいようとしてるみたいだけどさ、ただ手を差し伸べることだけが優しいことなの?もしそうなら如月のやってることは自己満足じゃないの?」
如月は何をもって優しくいようとするんだろう。
その理由が知れたら僕は僕だけを大事にしようとするこの弱さを向き合うきっかけが知れる気がした。
◆◆◆
如月と麗月と歩いてると水流と小さな池を見つけた。
「出口が近いって周りの鉱石や植物も言ってるけど、せっかくだから、少し疲れたから休もうよ」
僕はそういうなりその場に座って靴を脱ぐと池に足を入れた。冷たい水は疲れていた足に心地よかった。
「如月も足入れてみたら?冷たくて気持ちいいよ」
「そういえば、獣の鳴き声は聞こえたけど、結局会えなかったね。残念だなあ。そうだ、如月の連れてる大蛇も獣の仲間なの?」
「…ふーん、如月にとって麗月は特別な存在なんだ。ねえ、せっかくだから麗月に僕も触れてもいいかな?」
「ありがとう、如月。麗月は不思議な触り心地がするね。でも、なんでだろう。すごく安心するよ」
「そうだ、如月も何か面白い能力とか持ってないの?僕はね、ものの声が聞こえるんだ。あとは僕の中にある思いや感情を宝石にして捨てることもできるよ。まあ、宝石にした思いや感情はそのうち忘れちゃうけどね」
「如月は不思議な花を咲かせる力なんだ。うわ、本当に冷たい。ねえ、この花に名前はあるの?……へえ、水仙っていうんだ。とても綺麗な花だね」
氷というだけあって強い衝撃を受けたら壊れそうな水仙はキラキラして綺麗だった。
何気なく、小さな池の方をもう一度見れば、池のおかげなのか植物が咲いていた。それを見て、如月の『優しさ』を思い出した。
「この水流と池はまるで如月みたいだね。ほら、如月が前言ってたじゃん。共に過ごせた人に安らぎを与えられるようになりたいって。だから、目の前の環境はまさにそれだなって」
「あのね、如月の優しさを聞いた後僕なりに考えたんだ。僕が他人を気遣うのは足を引っ張られたら困るからであって、如月みたいに他人のために優しくなれるほど僕は出来ていないんだ」
「でも、如月と過ごせたおかげで、もう少しだけ他人に優しくしてあげてもいいかなって思えたよ。だから、これはそのお礼にあげる」
先ほど彼に見せたように、喜びの感情を宝石にしてあげると彼も水仙をくれた。
「え、これ。僕がもらっていいの?あれ、おかしいな。悲しくないのになんで涙が出るんだろう」
氷の水仙をくれるという彼に僕は嬉しいはずなのになぜか涙が出てきた。
拭いても止めどなく出る涙に僕は拭うことを諦めて代わりに笑った。
「ありがとう、如月。形として思い出をもらったのは如月が初めてだ。すごく嬉しいよ。壊さないように大事にするね」
彼にとってはもらったからそのお返しでしかないかもしれない。
けれど、なにげない彼の優しさは僕の心にゆっくり染み込む気がした。

◇如月君と関わったことで
嬉しくても涙が流れる「喜び」を思い出しました。
また、自分の弱さを認め、受け入れたことで不器用ながらも他者の心に寄り添う事が出来るようにました。
好きな時間⇒『昼』
好きな季節⇒『秋』

◆関係者様
第一期:ナスキータ君(illust/59591761)
「獣と会ったらきちんと逃げてくれるといいけど、ナスキータは好奇心旺盛だもんなあ……」
第二期:パルティシオン君illust/59322761)
「こんなに色んな音が聞こえると音が光に見えるティオにとってこの洞窟は眩しく感じるかな?」
◆ルッツの思い出(novel/7125070)

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2016-10-02 03:07:40 +0000