*さて、本日の短時間挑戦は飛行物体で御座います。
御覧の様にブーメランの様な独特の形状を持った全翼機。
唯、精緻な資料という物が存在せず、モノクロと気持ち粗めの資料のみ。
ですが、模型等中々造形的には人気の機体らしく、ゲームや模型での資料は発見できます。
兎に角全翼機自体が特殊なバランスなのですが、この機体は更に独特で、やはりその点に於いて幾度も拡縮して画面内に収めるように勤めました。
色などはとても単純極まりない物でしたが、資料がモノクロであった事なども有り、結局20分という結果に。
*本日の飛行機はノースロップ社のXP-79 FLYING RAMで御座います。
同社が米陸軍航空軍用に試作した戦闘機となっております。
第二次大戦中に全翼機の研究を続けていた同社は上記軍部に対して採用を働きかけ続けておりました。
そして、43年XP-79として3機の試作機の受注に成功。
開発中のロケットエンジンを装備する予定でしたがその完成の目処が立たず試作機自体結局キャンセル。
ですが、全翼型の小型高速迎撃機というコンセプトは興味を惹いたようで、ロケットエンジンをターボジェットエンジンに変更した機体の計画がXP-79Bとして開始。
2機発注しており施策1号機が終戦後の45年9月にミューロック乾湖にて初飛行。
飛行開始15分、機体は原因不明のスピンにより墜落、大破炎上。
テストパイロットは死亡。
当然この結果を受け、戦後と言う事も併せてキャンセルとなり、飛行可能な状態で製作されていた機体もこの墜落した1号機のみで会ったそうです。
ちなみに、95年プレーンズ・オブ・フェイム高空博物館のジャンクヤードにて同機体のセミ・モノコック構造のみの残骸が目撃されたのだとか。
この機体はマグネシウム合金のセミ・モノコック構造で、ターボジェットエンジンに気に挟まれるように操縦席が存在致します。
御覧のように腹ばい状態で乗り込むのですが、高加速度によるパイロットへの負荷の軽減と機体上部へ風防が突出して喰う来て工を作る事を避けた為なのだとか。
全翼機というと本来は単なる空飛ぶブーメランが普通なのですが、この機体は安定性を考慮し、二本式の垂直尾翼を設置。
脚部は前後2対の4本足でした。
この機体、面白い俗説に体当たり攻撃でもって切りつけるように接触して敵を倒す等という俗説が御座いますが元々姿勢制御自体が難しい機体でそんな曲芸飛行を武装にする事自体がナンセンスとも言えます。
ジェットエンジンに気による急上昇にすら耐えられる強固な構造と、更に愛称であるRAM「衝角」という愛称からそういった誤解が生まれたようです。
しかし、垂直尾翼を更に二枚立てた状態でスピンが起こったというのが不思議でなりませんねぇ。
そのスピンというのも縦回転なのか横回転なのかも不明。
唯、翼がこの長さで有りながらかなり角度が180度に近くそういった意味で空気を捕まえるには向いていないように見受けられます。
完成形のステルス重爆撃機などは横棒一本と言うよりは完全に三角形で表せる角度が付いております。
しかし、この機体はその三角形を描けておりませんからねぇ。
垂直尾翼で横スピンは起き難いはずですから、多分空気を捕まえられずジェットによる凄まじい推進力も相まって空中で高速縦回転。
パイロットは気絶でそのまま墜落と言った所では無いでしょうか。
唯、翼両端の空気を捕まえる筒の部分が設計ミスであればこれがおかしな空気の乱れを海、横回転も有り得るのでやはり邪推の域は出ませんねぇ。
かなり小型の機体ですし武装は完成したとして機銃2丁と軽量爆弾二つが関の山でしょうか。
12.7㎜を4丁搭載予定だったようですが、これだけ小さいのに其れは中々難しそうですねぇ。
見た目だけは結構格好良い機体でしたね。
2016-10-01 12:13:14 +0000