【HD名鉄56】足が遅いと言われた電車【モ760形】

古淵工機10@RSPI作者?

瀬戸電気鉄道ホ103形→名古屋鉄道モ560形Ⅰ→モ760形:
1926年登場。瀬戸電としては最初の半鋼製ボギー車であり、また最後の新造電車である。
当時の瀬戸電は路面電車並にプラットホームが低かったため、車体設計は郊外電車風ながら、
ドア入り口部分にはステップが設けられていた。ホ103~112号の10両が製造された。

また、駅間距離の短い路線での運用だったため、モーター出力は路面電車並(ホ103・104号は48.49kW、その他は35.8kW)で、
高速性能よりも加減速性能に重きが置かれていた。

1944年の名鉄合併後はモ560形Ⅰとなり、番号順にモ561~570号となったが、その低出力、低速仕様は悪い意味で評判になってしまったようで、
「スピードの出ない電車」と言われていたようである。
1949年にはステップが撤去され、より郊外電車らしいスタイルへと変化した。集電装置もポールからYゲルを経て
パンタグラフを搭載するようになっている。

長らく瀬戸線で活躍したが、1962年にはモ564~570号が揖斐線に転属、また1964年にはモ561~564号が廃車となり、
北恵那鉄道に譲渡され黄色と緑のツートンカラーに塗り替えられて走ることとなった。
その際、揖斐線の車輛が1両減ったため、その補充として最後まで瀬戸線に残っていたモ565号が揖斐線へと転属した。

1967年に北陸鉄道金沢市内線からモハ2200形を譲り受けた際、そちらに番号を譲ったため新たにモ760形765~770号(770号はⅠ)となる。

しかしこの電車も寄る年波に勝てなかっただけでなく、高速性能に難がある車両だったのは相変わらずで
1968年から順次廃車が開始され、モ765・768~770号の4両が1973年までに廃車された。
このうちモ765号は北恵那鉄道モ565号となって、先に譲渡されていた4両とともに同線の廃止まで活躍した。

最後まで残ったのはモ766・767号の2両で、最後は名鉄スカーレットに塗装され、1978年まで活躍した。

現在、モ766号が瀬戸市内にある瀬戸市民公園で保存されている。塗装は瀬戸線・揖斐線時代のライトグリーンに塗り替えられている。

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2016-10-01 01:02:52 +0000