エルアの保護者を探し出すべく、共に探検をしていたシンバシ達だったが、運悪く哨戒中の「大賢者の親衛隊」と鉢合わせしてしまう。
「シンバシ、その子を連れて先へ行け。ここは私が食い止める」
「女の子一人おいてくなんて、俺のポリシーに反するね」
間髪入れずに抗議の声をあげるシンバシを一瞥し、ロゼは不敵な笑みを浮かべた。
「案ずるな、私はあんたが思ってるよりずっと強い。それに……」
敵の放った岩雪崩が、間一髪シンバシに抱き上げられたエルアが一瞬前までいた地点に深々と突き刺さった。
「幼子をむざむざ危険にさらす方がよほど駄目な男だとは思わないか?」
「……分かった。エルアちゃんは俺がしっかり守りぬくぜ!」
シンバシはしかとエルアを抱きしめると踵を返し、飛び交う攻撃をかいくぐって一目散に駆けていく。
脚は空を飛ぶように軽く、翼のように自在に動いた。シンバシは自分でも驚くほどのスピードで敵との距離を離していく。
それが「ソウセキエイのかけら」の恩恵であるという事に彼が気付くのは、遥か彼方に置き去ったロゼと敵陣営がすっかり見えなくなってからのことであった。
エルアちゃん【illust/57734848】
ロゼさん【illust/57741183】
シンバシ【illust/57779488】
エンカや続きの展開等ご自由にどうぞ。
2016-09-20 12:33:20 +0000