【ポケフロ】律-4 二人三脚【目覚めの賢者】

スピカは鈍足bkm

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タム、タムッ。
小気味よい足音が石畳の上を走ったかと思うと、ギャッ、と小さな悲鳴が上がる。
不意をついた通りざまの『ひっかく』に、相性を忘れてヤミlラミがひるんだその隙に、すかさず四足を踏ん張り進行方向を変える。
素早い横っ飛びからの全身を使ったタックルは、文字通り『だましうち』の一撃だった。
かの少年、ポラリス自身は力は子供のそれではあるが、ゾロlアはじめ悪タイプの持つ特有のしたたかな戦法と、
何より彼と行動を共にする壮年――パンドーラ大司教を守る意思が、彼に力を与えていた。
ダンジョンに冒されたその敵は、攻撃にひるみ踵を返して逃げていく。
その撤退を見届けて得意げに笑う少年の下に、あくまで悠長な素振りで、司教は近づいた。
「見事だよ。年取った私じゃなかなかこうはいかないな」
「そう言いながら、こっそり敵に『テレキネシス』をかけてるの、おれ知ってるぞ。大司教様も実はノリノリだと思うぞ」
おや、見つかっていたか。実はこの通り、好意に甘えて前線は基本的にポラリスに任せっきりなのだが、
仮にもいちギルドの長として、仲間に任せ何もせず悠然と見守るだけ、という態度は、何より自分自身が許せなかった。
「まあ、ポーラに怪我はして欲しくないからねぇ。これくらいはするさ」
少し肩を落とし、彼はふっと微笑んだ。言葉を素直に受け取り、笑顔を返してくれるポラリスがまぶしかった。

地響きが聞こえる。ああ、ボウケン者もナラズ者も、この狭い遺跡の中でなかなか暴れてくれるじゃないか。
「さて、どこに行こう。ただ助けられるだけも何だ、ポーラの探し物も私は手伝おうかと思うのだが」
「え?でも大司教様、さっきおれは、」
言葉を繰り返そうとするその口を制し、司教は少年の目の高さに自分の視線を合わせようと、そっと屈みこむ。
「目の前の、それも大切な輩(ともがら)さえ助けられずに、偉そうに愛を語れなどせんよ」
ポラリスの額をなでるその手は、いつもの彼と同じく、暖かかった。
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illust/58304499】で合流いただきました!このまま支援先を探しつつ、ポーラ君の探し物をお手伝いしたい所存!
当方へのエンカ、およびポーラくんから司教つれてどこかへのエンカは私は問題ないので、好きに進めてくださいー!!

*ポラリスくん(ポーラくん)【illust/57713223】 司教【illust/57708250

「……そういや、大司教様が戦ったとこ、あまり見たことないな」
「ああ。確かに私はあまり好戦的ではないからねぇ。今はポーラもいることだし」
「そうなのか。それじゃ、ますますおれがしっかり守らなきゃーなんだぞ!」
「はは、そうだな。……私は『こんな』身だ、あまり前に出にくいもんでね。頼りにしている」

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2016-08-10 16:28:45 +0000