"怖い""。
その言葉で全てを察し、私はその瞬間、地を蹴っていた。
■プロローグの後、ヤミラミとの戦闘に入り、こちら【illust/58139012】の展開に遭遇させて頂きました!
ツバサちゃんの「こわーい!」を過大解釈して、カムイさんを誘拐犯だと思いました。(
おねーさんが助けちゃうぞ!ってな感じでのエンカですが、問題ありましたらパラレルスルーお願いします。
お借りしました方々:
カムイさん【illust/57708997】
ツバサちゃん【illust/57709583】
/クル【illust/58233245】
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目の前には数体の影。
どう見ても相性は悪く、数も多い。
ーそれでも私は口角を上げる。
笑顔はひとに強さを、明るさを、勇気を与える。
その笑顔を浮かべれば、きっと大丈夫。そう、小さい頃から信じてきたからだ。
左手に力を込める。
眩い玉のような光が宙を舞い、左手に集まる。
ぐ、と拳を握りしめ、足に意識を集中させる。
これが効こうが効きまいが、そんなことはどうでもいい。
要はこれらから遠ざかればいいのだ。
光が私の輪郭を消すように激しくまたたく。そろそろいいだろう。
いつものように空を見上げる。ただこのまま、技をーー
ふと、影が顔を覆った。
ー鳥だ。
空を飛んでいる。
よく見ると背中には、ポッポらしき種族の子供を乗せていた。
子連れで戦場か、迷ったのであれば無事に帰ることができるといいな。
なんて呑気なことを考えた私の耳に聞こえた言葉は
「こわーい!!」
…だった。
明らかに楽しそうな声だったが、関係ない。
"怖い""。
その言葉で全てを察し、私はその瞬間、地を蹴っていた。
「やあ、ルチャブルさん。」
サイコキネシスで浮かせた体は空中で止まり、限界までマジカルシャインを貯めた手は、激しく光り輝く。
「その子はなぜ、怖がっているんだい?」
2016-08-09 05:20:01 +0000