この羽根を貴方の手で【illust/56927595】
◆Ama‐アマ‐
女/14歳/147㎝/小鳥…真っ黒な羽根を持つ
一人称:わたし、小鳥 二人称:貴方、ミスター、兄さま
「hello、ミスター!ああ、わたし、貴方が来てくださるのをとっても心待ちにしていたの」
「兄さま、兄さま。こちらを向いて。だめよ、今はちゃんとわたしを見てくれなくっちゃあ。妬いてしまうわ」
「目隠しをしましょう。ねえねえほら。鬼さんこちら、鈴が鳴る方へ」
「酷いコトおっしゃるのね。いけませんよ、兄さま。世の中には、意地悪な姉二人の目をつついた怖い小鳥だっているのですからね」
「小鳥に、触れては、ダメよ」
白髪にブルーの瞳を持つ小鳥。
翼は真っ黒。羽ばたくことはできないが、嬉しいことがあるとぱたぱたと静かに動く。
年相応の表情をみせたり、娼婦のように狩人を翻弄する言動があったりと性格がつかみにくい。
あなただけよと特別扱いするようなことを言ってみせたり、嫉妬するようなことを言うが、本心ではなくからかっているだけ。
接客中は、狩人が嫌がらなければべたべたと触れる事が多い。が、狩人から触れることを許していない。
客の名前をなかなか憶えない為そのたびに注意されている。(そもそも覚える気がないのかもしれない)
羽根落としを「小鳥を殺すこと」と物騒なことを言い、もし持ち掛けられるようなことがあってもからかうようにはぐらかす。
ピアスは鈴。動くたびちりんと音が鳴るが、特別な加工がしてあるのか煩わしくはない。
数年前、とある狩人に買われる約束をしていたが、約束の日に狩人が来ることは無かった。
アマをからかっていただけなのか、事情があり来られなくなったのか、それとも狩人が死んでしまったのか、
その真相は定かではない。
♥大切なお友達
クローディアちゃん【illust/57760161】
「ディア~。この靴は誰のだ?」「足を怪我しちゃう。苦手なの?仕方ないなあ…」
「ねえねえ、わたしね、ディアの歌大好きよ。とっても心地いいの」
「お祝いしたいのに、とっても複雑。…寂しいって言ってるのよ?」「…ね、わたしのこと忘れないで」
「貴方は幸せの青い小鳥だから、大丈夫よ」「おめでとう、クローディア!」
8/18♥素敵な狩人様と出会えました!
わたしが欲しいと聞かせて ルーカス=ファンデさん【illust/58466234】
「ねえねえ、ミスター。貴方が欲しいものは、なあに?」(質問の意味、分かってくださるかしら)
初めて会ったそのお客様は、わたしと同じ瞳の色をしていて、小さな子どものような人でした。
(ミスター、初めまして!わたし、アマと言うのよ、貴方は?兄さまと呼んでもいいかしら)
冷ややかな外見とは裏腹に、子どものような言動をするルーカスさんは、アマの目に新鮮に映りました。
他の狩人に対するものと同じように、ルーカスさんをからかったり、甘えてみたり、まるで駆け引きのように翻弄します。
「ありがとう!お世辞でもとっても嬉しい。そう言ってくださるの、貴方だけよ」
「いけません。だって、真っ黒な羽根なんて不吉でしょう。兄さまを不幸にしてしまうわ。なんて」
「もう。そんなことばかり言うと、貴方のこと嫌いになってしまうわ。呼ばれたって、出てきてなんてあげないんだから」
「…ふふ…くく、あははっ。冗談ですよ。本当だと思われた?小鳥は意地悪で嘘つきな生き物なのよ」信用してはいけないわ
アマは、ルーカスさんが自分に対し興味を持っているのを分かったうえで、
ちょっかいを素直に受け止めたりはぐらかします。まるで彼の反応を楽しんでいるかのようでした。
しかし、どんな態度を取ろうとも、冗談を言っても、そして時には拒絶を示しても、彼は変わらずアマに会いに来るのです。
そうして同じ時間を過ごすうち、ルーカスさんをただのお客様として見ていたアマに、少しずつ別の感情が生まれていきます。
「もう帰っちゃうの?……。いいえ、わたしは大人ですもの。寂しくなんてないわ」
「”約束”なんて言いません。ですから、どうか、きっとまた来てね」
なんてらしくないのでしょう。ルーカスさんの背を見送りながら、
ふと、自分の中でルーカスさんの存在が大きくなっていることに気づきます。
いつからか彼を信用していたのか、それとも好意を抱いていたのか、はたまたそのどちらもか。
どうやら小鳥は、彼を翻弄して捕らえているようでありながら、実は自分が既に捕らえられていたのです。
「…貴方がほしいのは、羽根だけなの?」
欲しいと言ってくれるものが、羽根だけではないのなら、わたしは――…
心を奪われた小鳥は、自ら彼の両腕の中に堕ちることを願いました。
「ルーカスさま。小鳥を殺す覚悟があるのならば、どうか、その手でアマの羽根を手折ってくださいませ」
貴方が「欲しい」と言ってくださるのなら、アマは地を這いつくばることも厭いません。
2016-08-07 15:49:47 +0000