【白紙日記】ルッツ【第1期】

樺宮
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◆こちらの素敵な企画(illust/57794659)に参加させていただきます。

―退屈という感情を抱くことすら飽きた僕はどうすればいいんだろう―

ルッツ
Pナンバー:1
男性/180cm/一人称:僕/二人称:きみ
極度の飽き性で無駄なことが嫌いなゆったりとした口調の青年。
◆固有能力:思ひで探し
他人に知られたくないあるいは忘れてしまいたい自身の思いや感情を宝石として生み出すことができる。
出された思いや感情は本人の中から消え、少しずつ忘れていく。
他人の感情や思いは抜くことはできない。

◆8/13 素敵なペアを組ませて頂きました!
自分にはないものを持っているご友人
ナスキータ君(illust/58291591)
 青いだけの空にどこまでも続く草だらけの風景に飽きるのさえ飽きていた時、きみと会った。
 僕より小さいけれど、意思疎通も可能だし、彼が歩く度にその跡を辿るように光る植物が芽吹く様子は飽きる事に飽きていた僕にとってちょうどいい暇つぶしもしく飽きるまでの相手でしかなかった。
「初めまして。僕はルッツ。あまりにも同じ風景ばっかりでちょうど飽きに飽きてた所なんだ」
 このまま一人でいてもどうせまた退屈に飽きる事に飽きるだけだからと彼とどこまでも続いてそうな草原を『旅』をすることにした。
◆◆◆
 天真爛漫な彼は僕と違ってこの草だらけで晴天だけの現状をずいぶん楽しんでいるようだった。
 でも、無駄が嫌いな僕にとっていくら暇つぶしとはいえあちこちと動き回る彼の無駄だらけな行動は目に余るものだった。
「ねえ、きみ。さっきから忙しないけど、もう少し落ち着いて考えてから行動したらどうかな?」
 わざと棘を含んで言ってみたものの僕の言葉がいまいち伝わっていないようだった。
 彼の反応は当たり前だ。彼にとって彼の行動に何一つ無駄なことなんてないのだから。
 そして、僕の言葉はあくまで無駄が嫌いな僕から見ての発言なのだから彼に伝わるわけない。
 それでも時々少し言葉を変えて彼に言う事が何度か続いた時だった。
「怒ってる? 僕が、きみに……?」
「逆に聞くけど、きみはどうして僕の反応を気にするの? うるさいならうるさいって言っても僕は気にしないよ。
だって僕は僕が不要だと思った感情も思いも捨てられるんだから」
 言葉とともに彼の前の前で飽きる事に飽きたという感情や思いを宝石として捨てて見せた。
 だけど、彼の反応はまたしても意外な反応だった。
「僕にとってそれは不要な感情や思いの固まりでしかないのに、きみにとってその宝石はそう見えるんだ。
……いいよ。きみが欲しいならその宝石あげる」
 もしかしたら、彼に出会う前に特に何も考えず切り捨てた僕の感情や思いの中に捨てなくてもいいものもあったのかもしれない。
◆◆◆
 彼と共に歩いてどのくらい経ったのか草原の中に木の実がなっている木を見つけた。
「この木ってきみが歩いた後に芽吹いた植物の一つなのかな?」
 彼に聞いてみると意気揚々と答え、楽しそうだ。木の実にも興味津々な彼の様子に無駄かもしれないけど、とりあえず持っておこうと木の実を一つ手に取った後そういえばこの木は彼の歩いた後に芽吹いた植物が育ったものだったのを思い出す。
 もいだ後どうしたものかと彼を見ればなぜか彼は笑顔で僕を見ていた。彼の手の中と僕の手の中にある果実は同じものだと気づくと妙にくすぐったい気持ちがした。

◆ナスキータ君と関わったことで
物事がうまく伝わらないもどかしさを通じて『寂しさ』と『怒り』を思い出しました。
また、不要だと感じた感情や思いをすぐ切り捨てる事に小さな戸惑いを感じるようになりました。
育てるべきもの⇒『種』 
見つけたもの⇒『落とし物(不思議なペンダント)』

◆ルッツの思い出(novel/7125070)

◆何か問題などありましたら、お手数ですがメッセージにてご連絡をお願い致します。

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2016-08-06 15:05:44 +0000