昨日から降り続いた雨があがり雲ひとつない空が広がっている。
そんな朝東風谷早苗は、散歩に出かけた。
山々は深い緑を湛え、谷底には霞がかかり、至る所に水たまりが出来ていた。
早苗は白い花を咲かせる木の近くを通り掛った。山法師(ヤマホウシ)という低木で有る。夏の初めに白やピンクの花を付け秋に美味しい実をつける。
山々の風景を見ている早苗で有ったが急に強く心地の良い風が吹いた。
風下をふと見ると一匹の蝶が風に向かってに舞っていた。
「この蝶は!」早苗は声を上げた。
今舞っている蝶は、幻の蝶と呼ばれたミカドアゲハではないか!!
ミカドアガハは生息地こそ広いものの滅多に人前に現す事は無く各地で天然記念物に指定されている。
こんな蝶に出合えるなんて今日はラッキーかも^^東風谷早苗はそう思った。
山々からは夏の訪れを告げるニイニイニゼミの声が聞こえ始める。
本当の夏は、これからで有る。
7月5日にワンドロで描いた物に加筆してみました。
2016-07-13 11:27:19 +0000