花冠を戴く者【illust/55830776】
∟第二期【illust/57510253】
こちらのイベントに参加させていただきます。
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ラヴァ=シュウ・ドゥドゥ【illust/57900682】※※♡ファイルヒェン様【illust/57678060】
いつか必ず、この身を覆う氷を溶かしてくれる人が現れる。
……だなんて、もう夢にも見過ぎておとぎ話のように感じていた部分がありました。
だからこそクリアに聞こえる音や広がる視界は、まるで魔法をかけられたかのように感じたのです。
愛する者の口付けによって、冷たく優しい呪いが解かれたのでした。
「……ファイルヒエンさん、君ってこんな声をしていたのね。
今、改めて格好いいなって思ったわ!わぁ、あたしこんなに大きな声で喋っていたのね……!?」
「目に見える影響はこの氷だけだけれど、本当はもう一つ自由になれたことがあるの。
これまで当たり前のように祈りを捧げてきたこのお酒も、これからは当たり前もっと気持ちを込められるようになる」
「君といることであたしの愛が凍り付くなんてこと、きっとこの先何があっても無いって断言できるわね!
だって、今でも顔が真っ赤で心臓の音がうるさいくらいなんだから!もちろん照れてるのよ!」
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その種は繰り返される品種改良の末に、種族と言う概念を失っていた。
だから嗜好品として搾取されることに何も感じなかったし家族への愛など微塵も感じなかった。
そのはずが、触れ合ってみるとどうだろう。彼らはこんなにも感情を豊かに表すことができる。
赤磐の魂から分かたれた祝の魂を継ぐ子らよ、どうか幸せに。
余すことなく愛を感じて過ごせば良い。それは何も恥じる必要のない崇高な感情だ。
2016-07-12 06:41:20 +0000