なんだかここ数日とてももののけ姫が見たい。
たぶん高橋克彦の「火怨」(阿弖流為の話)を読んだせいだ。
まつろわぬ民であり、けれどそのふるさとにに二度と帰ることのできないアシタカ。生贄として捧げられ山犬神の姫となったサン。遠い異国で自分を身受けした夫を殺し、得た財で社会的弱者の生きる道を作ったエボシ。エボシに救われたハンセン病患者や身売りされた女たち。
登場人物は皆その当時の日本におけるマイノリティで、それぞれがそれぞれの立場で必死に生きているだけなのに、相容れることができない。
やっとの思いで生きる道を見つけた人々は生きるために山の神々への畏敬を捨て去ってしまった。虐げられている社会的弱者もまた、生きるために何かを侵している。それは身勝手なことなのかもしれないけれど、その一言だけでは片付けられない。
人の身勝手で生贄にされて、山犬神の愛情によって生かされたサンが人を憎むのも仕方のないこと。
誰が善で誰が悪とも言えない混沌とした状況だからこそ、アシタカの存在が一縷の希望として際立つ。
見る時は心して見ないと色々引きずられる作品だけれど、ジブリの中でも特に好きな作品です。
ああ見たいなあ、とここ数日思っていたので唐突にらくがきしてみた。雑。思い出しサンなのでちょこちょこ間違っているところがあるかもしれない。
2016-07-02 17:47:37 +0000