薄暗い夜道、一人歩く私。
少しだけ早く足を進める私の前方から、
謎の歌と共に自転車を漕ぐ音が聞こえてきた。
「トン、トン、トンカラ、トン」
ゆっくり、ゆっくりと距離を詰めてくるその自転車にはまるでミイラ男ように全身を包帯で巻いた何かが乗っているのが私にはわかった。
関わるものではないと少しの間地面を見つめながら歩く。
「トン、トン、トンカラ、トン」
「トン、トン、トンカラ、トン」
ゆっくりと漕がれる自転車は、ゆっくりと私の横をすり抜けていった。
さあ、もう早いこと家に帰ろう。
そう思い顔を上げた私の肩を誰かが掴んだ。
一瞬にして脂汗が私の体を包む。
きっと振り向いてはいけない、頭の中で危険信号が鳴る。
それでも、ほんの少しの好奇心から私は振り向いてしまった。
私の肩をつかむのは先ほどのミイラ男。
目の前のミイラ男は包帯の隙間から見える赤い口元を三日月形に歪ませて、背に背負う刀を抜きながらこう言った。
「トンカラトンと言え」
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【名無しのサイト弐】の半公式キャラクター。
元ネタはトンカラトン。
包帯を身体に巻いている。
常識嫌いのサイコパス。
※始めに記載したものは「トンカラトン」の都市伝説を紹介しているものであり、本企画のキャラとはあまり関連性はありません。
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名無しのサイト弐【illust/56120144】
2016-06-30 17:00:35 +0000