◆人形館の安息日【id=54961214】
◆名前:ブランシュ
性別:女 身長:143cm ココロのカケラ:4
《 予感:6.憧憬 たいせつなもの:8.面 おもいだしたもの:8.植物 ギフト:7.火の祝福 確信: 》
前場面からの再生能力は健在。ギフトの火の祝福から火の粉にも似た花びらの幻影がちらつくように。触れるとわずかに温かく、活力を与えられる気がする。
◆行動方針:極力戦わずに作業室を目指す。
共鳴相手が戦おうとした場合、先に進むために必要な戦闘でない限り逃げるように説得。聞かなければ出来る限りの援護をします。戦闘力は低いです。
一人だけ逃げ隠れする等、出会った相手を見捨てる選択肢はありません。
◆ココロの共鳴
第一場面:Q(ユーリ)さん【id=55606677】(予感:2.逃避)
「ブランシュはユーリに甘えっぱなしだったから、無理をさせていたんじゃないかって不安に思う。...ユーリ、元気でいてくれたら良いな。」
「君みたいに人と上手く関われたらよかったのに。ブランシュは本当に不器用。」
第二場面:マリクさん【id=56160128】(たいせつなもの:9.鏡)
「君にまた会えたらもう一度話がしたい。今ならマリクの言ってた事、理解できるかもしれないから。そしたらもっとお話ししてくれる?」
「やっぱり思い出さなければこんな事にはならなかったかもって思う。...ううん、後悔はしてない。ただね、少しだけ悲しい。」
第三場面:リータスさん【id=56909316】(おもいだしたもの:4.羽)
「今度は僕もリータスを守れるようになる。リータスが心配しなくなるくらい強くなる。無理かもしれないけど、ブランはやる。」
「リータスがしてくれたように僕も誰かの手を取りたいと思った。僕にはそんな資格はじめから無かったかもしれないのに。」
◆第四場面ココロの共鳴(6/14素敵なご縁を頂きました!)
安らぎをあげたい人。エトランゼさん【id=57165013】
「腕が一本動かなくてももう片方がある。片目閉じてたって前は見える。足があるなら逃げられる。それに少しくらい傷付いても僕は平気。だから一緒に行こう。ブランは君を置いて行かない。」
「...耳。それ、本物?絵本以外で初めて見た。ブランは嬉しい。知らなかったこと、また一つ知れたから。 触っても良い?」
「本当?気に入ってくれたなら嬉しい。『リベルテ』にはね、ブランの居た所では『愛する者』の意味が入ってるの。人が人を愛するのに、何処から来たとか何人だとかなんてきっと関係ないって思うから。
君が心から愛して愛される人にたくさん出会えますように。」
「僕は大切にされてきたと思う。此処で目覚めてからも、その前もずっと...。だけど貰ってばかりだったから、今度は返したい。 今なら、それができる。」
「エトランゼを憎んでる人が居るなら謝って許してもらおう。一人じゃ怖いならブランも一緒に行って謝るよ。
君が優しい人だって知ってる。だから僕は君に、リベルテに笑っていて欲しい。」
「無責任だよね、名前だけあげて君の欲しいと言ったものはあげられないなんて。結局僕は、君の心を縛ってしまっただけなのかもしれない。
...ごめんなさい。君の気持ちに気付いてたのに、何も言えなかった...。」
少女の心は今後への期待でいっぱいでした。
襲いくるきぐるみたちから守ってくれた彼はもう居ません。
けれど怖くありません。一番嫌なのは『何もできないこと』だと思い出したからです。
戦う力はなくても走れる足があります。いざとなったら最初に出会った彼のように逃げてしまおうと考えていました。
それから少女には小さな野望が芽生えていました。
次に会った人には何かをしてあげたい、少し前までの自分のように助けられるだけではなく助けになりたいと思っていたのです。
4番目に出会った青年は王冠とマントを身に付け、獣のような耳を持っていました。
そのような姿をした人に出会うのは初めてですし、物語の中だけの登場人物だと思っていたため気になって仕方がありません。
けれどゆっくり自己紹介している間もなく、管理人からの指示がスピーカー越しに流れます。
どうやら『作業室までたどり着く』ことが今回のココロのカケラを手に入れるための条件のようです。
そしてドールを狙う“作りかけの作品たち”の徘徊は既に始まっているようでした。
少女は青年と一緒に逃げようと考えました。けれど青年は違ったようで、囮になると言い出すのです。
当然、少女は拒みます。
気付かれていないのならそのうちどこかへ行くはず。ここで戦う必要は無い、と。
隠れながら進むという案に青年は気乗りしないようでしたが、頑なに意見を変えない少女に折れ、一緒に作業室を目指すことになりました。
道中、青年の様子がおかしいことがありました。
迫ってくる作品達に気付かなかったり、家具にぶつかりそうになるのです。
眼帯を付けている左側が見えないせいだと気付いた少女は手を差し伸べ、青年は戸惑いを見せながらも、その手を取ってくれたのでした。
作品達に出くわしたら身を隠し、遠くへ去るまでじっとやりすごします。そんな時にはひそひそと話をしました。
青年は少女を気遣い、少女は青年を励まします。
彼は自身の怪我のせいでなかなか先に進めないと思っているようで申し訳無さそうにしていましたが、少女は互いの事を少しずつ知っていけるこの時間が嫌いではありませんでした。
ある時、青年は過去について少女に語り聞かせました。
環境も立場もあまりにも違ったため十分に理解できるものではありませんでしたが、とても悲しくつらい決断をしてきたことくらいは分かりました。“唯一の家族”を守るために彼が必死だったことも。
人を殺めた事実を知っても、少女は青年を責める気にはなれませんでした。
...その頃からでしょうか、青年の特別な気持ちを感じ始めたのは。
はっきりと言葉にされたわけではありません。もしかしたら思い上がりかもしれません。
ただ、真摯に向き合ってくれているこの青年に同じだけの想いを今の自分には“返せない”と感じてしまったのです。
少女は落胆しました。また一方的に与えられたのです。
青年がつらい過去と決別し第二の人生を歩めるようにと『新しい名前』を考えた時、少女は彼に「愛し愛されるように」と言いました。
けれどそれは自分以外の“誰か”があげれば良いという考えだったのです。
なんて無責任なことをしてしまったのだろうと、少女は悔いました。
青年はきっとその名を背負って生きていくのでしょう。
それはとても悲しいことのように思いました。
そして彼の助けになれていると感じたことも、思い違いだったのです。
作業室を目前に少女は何もできませんでした。結局青年の力に頼り、無理をさせてしまいます。
青年は気を使ってか少女に手伝いを求めましたが、それが微々たる助けであることなど分かりきっていました。
きっと青年は一人でも突破できたでしょう。
渡されたクロスを手に、少女は複雑な思いで作業室の扉をくぐりました。
与える喜びと悪感を得た。
2016-06-12 04:33:39 +0000