短時間挑戦 2873

ポテトサラダ

 *さて、本日の短時間挑戦は飛行物体で御座います。
 御覧のように独特の塗装が施された、更に特異な形状をした機体。
 かなりしっかりとした資料でしたが、今一つ部品の造形などを理解できない部分や独特のバランスに骨を折り、お時間は34分という結果に。

 *本日の飛行物体は大日本帝国海軍の九八式水上偵察機で御座います。
 愛知航空機が依頼されて開発した特殊な機体で昭和13年に兵器採用された飛行艇型の艦載夜間偵察機で御座います。
 コードネームはLaura。

 水雷戦隊の夜戦における夜間接触や砲雷撃戦における着弾観測など敵戦闘機による邀撃される心配の無い状況で使用される機体として開発されたそうです。
 ですので飽く迄も偵察と戦況観察、逐次報告という任務が主で有り武装その物も殆ど無いと言っても過言ではない程。
 夜戦夜戦と聞くともうお馴染みの方の声やお姿が出てくるかも知れませんが、正にその方に乗っていた機体で御座います。
 ちなみに、この機体はその川内に搭載されていたその物を描いております。

 水雷戦隊の旗艦巡洋艦に各一機ずつ搭載予定で連合艦隊全体での定数が四機ほどだったのだそうで、生産数もそれに合わせて少数であったそうです。
 ですので、軽巡に各一機ずつ配備予定で有ったと言う事で御座いますね。

 昭和11年九六式水上偵察機の後継機として海軍より川西航空機と愛知航空機に発注。
 翌12年試作一号機が完成し、両社海軍による審査を受ける。
 この時川西は斬新な機体を制作し、愛知は九六式を洗練した形の複葉式小型飛行艇を開発。
 結果として保守的な愛知の方が性能実用性共に勝っていた為13年に制式採用。

 日中戦争の皇紀から九六式に変わって軽巡に搭載され各種任務で使用されたそうです。
 唯、太平洋戦争へ移行し、緒戦で少数が参加したものの3座水偵にその座を譲る事と成り引退となったのだとか。
 その後は連絡機などと言った雑用で使用され、武装も貧相で機銃一丁でしかなかった事も有り戦線に出る事も殆ど無く、終戦時には七機が残存していたそうです。

 胴体は金属製のモノコック構造で翼は金属製骨組みに布張りというそこそこ重量級。
 エンジンは上翼中央に推進式に搭載して四枚式のプロペラを装備。
 一見すると紅の豚の飛行機を思い起こさせるデザインで御座いますねぇ。
 勿論、こちらは当然現実のものなので上翼を支える支柱に関してエンジンはW字型に組まれてより強固なものになっております。

 唯、これを描いていて本当に不思議だったのは、左右の上翼を支える支柱の角度が違うと言う事。
 右側の支柱はかなり前傾姿勢で取り付けられているのに左側は普通に垂直というもの。
 一応別アングルの資料も見比べてみたのですが、何故かこの形態なんですよねぇ。

 航続距離は1945キロで飛行時間は十五時間ほどと小型機としてはかなりの数値では無いでしょうか。
 やはり邪魔な物全てを除外した観測特化というのが軽量化に活かされているからこそなのかも知れませんね。

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2016-05-14 14:35:55 +0000