こちらの素敵企画(illust/54961214)に参加いたします。
「あぁ、頼むから、追いかけてこないでくれ。怖いんだ」
◆マリク
1:オパールくん(illust/55661986)/2:ブランシュさん(illust/56137066)
予感:2『逃避』 たいせつなもの:鏡 おもいだしたもの:植物 ギフト:-- 確信:--
一人称:俺/二人称:お前(※名前で呼びません)
・無気力で面倒くさがりな男。
・寡黙だが、実のところそれは口を開くのが面倒だから。
・頭の中ではいろいろ考える思慮深さがあるが、それを自発的に表に出そうとはしない。
・自分本位で、他人に偉そうに指示することも。
・何から『逃避』していたのか、なんて思い出せない方がいいだろうと考えている。
・第二場面でココロの共鳴を果たしたブランシュさんの影響で布が白くて綺麗なものに。
・ブランシュさんと接することで、やはり記憶は取り戻すべきなのだろうか、と考えるようになりました。
・大切なものである鏡は腰に。三角形です。
・意識して触れたところから草木が生えるようになりました。
自身の身体以外なら大抵の場所から生やすことができるようです。
・描画の位置の関係で羽みたいに見えるものがありますが、あれらはマフラー的なものの裾です。
◆行動方針
・襲い掛かってくる着ぐるみたちを見ても面倒だなぁと思うくらいです。
しかし、自分たちと同じようなドールの姿をしたものだけは、近寄ってくるとほんの少しだけ動揺します。
・表に出さないように努めてますが、ドール型のものに対しては少し怯えています。
・植物を生やして壁にして着ぐるみたちを寄せ付けないようにし、どんどん植物を生やしてはそれをぼんやり眺めています。
・居合わせたドール(ココロの共鳴相手)に対しては、なぜ記憶を取り戻したいのか、記憶が戻ったら何をするのかなどぽつりぽつりと問いかけます。
・問いかけはするものの、自分本位であるところは変わっていないため、逆に何か問われても最初はろくに答えません。
・しばらく経った頃、「お前は自分が好きか?自分が大切か?」と問いかけてきます。
その返答を訊けば、自分の考えも少しだけ話すようになるかと思います。
==========================
【ココロの共鳴】カムパネルラさん(illust/56855946)
穏やかで優しい女性。心を逆立てられることが無く落ち着いて過ごすことができるため、多少心を開いている。
「お前はつよいな。きっと記憶を全て取り戻しても、しっかり立っていられるんだろう」
--------------
その女性は、気づけばそこにいた。
自らの生やした植物を見てぼうっとしていたから気づかなかったのだろう。
「ああ、すごい。この植物は貴方が?」
不意にかけられた声に、青年は内心で僅かに怯えた。
その言葉のどこかに、聞き覚えがあったからだ。
記憶の中で、拍手の音とともに似たような言葉を掛けられたような気がする。
青年は返事を返そうと気が向いていたにも関わらず、反応を返すことはできなかった。
さて、植物を眺め続けてしばらく経った頃、ふと何か自分のナカをせっつくものがあった。
それは自分とは何か、という疑問だった。
少しずつ記憶を取り戻していく中で、自分に対する自分の思いというものが気になったのだった。
青年は意を決して、女性を振り返り、問うた。
「お前は自分が好きか?大切か?」
女性は少し考えて、彼女なりの答えを誠意を持って返してくれた。
青年は、その言葉を真剣に受け止めた。
投げやりで自暴自棄になっていた自分が薄れていくのを感じていた。
青年は自分が嫌いだったし、今現在もそれは変わらなかった。
ただ、失った記憶の中では、きっと自分は、自分が何よりも大切だったのだろう、と思う。
大切だったからこそ、自分は何かから逃げたのだ、と。
女性の目から零れ落ちる宝石のような涙を見る。
そこで青年は、他人の涙を見るのが嫌だなと思う自分に気が付いた。
(俺はどうして泣くしかできないんだ。どうして泣かせるしかできないんだ。)
頭のなかで声が響く。
いつかの自分の声だと、青年はすぐにわかった。
(俺には泣く権利なんかないのに。涙を拭う義務があるのに。)
頭の中に響く声に、青年はうなだれた。
あぁ。自分は戻らなくてはならないのだ。逃げたことを謝罪しなければならない。
“彼ら”を救わねばならない。
その義務があるのだ。
けれど、怖い。怖くて仕方がない。
自分には力がないのだ。
戻ったところで何かを変えられる力など、持ち合わせてはいなかった。
自分の、なんと非力なことか。
「マリクさんはどうしたい?」
彼女の問いかけに、するりと言葉が出てきた。
「俺は、戻っても何もできない」
彼女がその言葉をどう受け止めたかは、青年には分からない。
言葉をこぼした後で、「でもこのまま進んで逃げ続けたいわけじゃないんだ」と自分が思っていることに気付いたけれど、
そこまで言葉を補足してどうなるのだ、何も変わらない、と言葉を続けるのを止めた。
喋り過ぎた。
言葉は紡ぎすぎると軽くなる。
自分は言葉少なでいなければならないのだ。
============================
◆その他
メッセージはなるべく翌日中までにお返事いたします!
2016-04-30 17:28:05 +0000