【君暮】神原梓【ホスト】

ホ茶

きみと暮らせば【illust/55554290】に参加させていただきます。

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「おまえを拾ったのもただの気まぐれで暇つぶしだから。」
「...優しくしてやったところで、伝わらないし。」


神原梓(かんばらあずさ)/21歳/男
いい人っぽいけど中身は........な感じの人です。童顔がそれなりにコンプレックス。
口が悪い?本人曰く素直なだけ。その割にはかなりの天邪鬼。気づけばずっとポケットに手をつっこんでる。
自分に干渉されるのが嫌いな大学生。いろいろと魔が差した。
好きなものは犬と部屋と肉じゃが。嫌いなものはたくさん。

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□素敵な方と巡り会えました♡
古川旭さん【illust/56227766

バイト帰りでいつも通りフラフラだったなんてことのない日。
俺は変な女に出会った。

「は?俺の家に...ですか。」

正直その時の俺はやっぱりどうしようもなく疲れていて。
どうしようもなく頭がおかしかったんだと思う。物足りない日々。退屈な生活。
なんとなく別にいいかなって。こんなのバカな暇つぶしだ。飽きたら追い出せばいい。

「別にいいですよ、家くらい。」

人当たりの良さそうだとよく言われる笑顔で答えるとその女はぱあっと顔を明るくさせた。
その時に思った。コイツも俺に騙されたんだろうなって。きっとすぐ愛想尽かせて逃げるだろう。

「つまりは俺が童顔って言いたいの?......。(口縫い付けるぞおまえ。)...ゴホン、まあ、古川サンだっけ?何卒よろしく?」
「えっ何この肉じゃがめっちゃうま.....マズくはない。あのさ、お代わりぶんある?いや別に美味しかったとかじゃなくてバイトで腹減ったの。で?ある?」
「あはは...うん、ポケットに手入れんの、癖みたいなもんだから。」

古川旭。明るいバカな女。ウザい。うるさい。
なんでこいついろいろ大変な目にあってる癖にこんなあっけらかんとしてんの?
辛いとか言わないわけ?不幸ぶればいいじゃん。同情集めてお涙頂戴なんて余裕でしょ。

「おまえみたいなヤツ、実は俺ダイッッキライなんだよね。」

無性にこの女を見ているとイラつく。ああもう、いつ追い出してやろうか。
俺みたいなヤツよりいい拾ってくれる人いるでしょ、友達多そうだしコイツ。

「俺は嫌いなものは嫌いだし好きなものは好きってはっきりしてるだけだっつーの。おまえこそ人のうちに居候しといてちょっと静かにできないわけ?」
「あのさあ、俺一応おまえより年上だし養ってやってんだからいっそ梓サマって呼ぶくらいが身の程わきまえてるんじゃない?は、クソ...!?おまえなんかクソ女だクソ女。もう一生名前で呼んでやんねーからな。」
「ハイ出てけ出てけ〜〜荷物まとめてくださあい。...まあそこまで謝るならちょっとくらい譲歩してあげようかな〜〜?」

それからというもの一人暮らしにはちょっと広すぎた我が家は騒がしくて仕方がない。
口を開けば言い合い、そんな日々。イライラしてどうしようもない。余計疲れるだけ。
こんなヤツ早く追い出してやる。

「おまえのことなんかどうでもいいから勘違いすんな。お礼もやめろ、気持ち悪くて鳥肌立っただろ。...照れてないから。これ以上なんか言ったら今度こそ追い出してやるからな!!」
「...たまには話、聞いてやってもいいから何かあれば相談しろよ。暇だし。」
「携帯持ってないのかよ!?一応クソ女なんかでも女だしさあ、こんな遅くに何かあったらと思うとおまえが帰るまで寝れなかったわけなのよ。つまりは睡眠妨害されてメ・イ・ワ・クだって言ってんの!心配させん...あああああなんでもない!おまえなんか本当にどうでもいいけど何かあったら俺が真っ先に疑われるじゃん!?それだけ!おまえなんかどうでもいいけど!おやすみ!」

すぐに離れると思ってたコイツは気づけばいつも傍にいて。
俺の本性もわかったんでしょ、なんで俺の隣から離れないわけ?
俺は俺で、思いっきり干渉されてるのになんでさっさと追い出せないわけ?

クソ女は図々しくてガサツで邪魔。それだけのヤツだって何度も言い聞かせた。
笑顔が可愛いだとか思ってないし一緒にいても楽しいとか思ってない。
絶対に。

(本当に?)

「は、おまえ出て行くの...?」

せいせいする、って言おうと思った。
人から逃げられるなんて慣れてる。こんなのいつも通りで平穏な日々が返ってくるだけ。
喜ばしいことじゃん。なのに。なんでこんなに傷ついてるんだろう。

「え、確かにおまえは邪魔だけどさ、金ないんでしょ?出てく必要ないじゃん?...釣り合わないってなんだよ!!?」
「....おまえが邪魔なのは今更だろクソ女...じゃなくて旭!何今になってしおらしくなってんだよ!それに、いつ俺が大学の女と話している時が幸せだって言った?あいつらに全然興味ないんですけど。人の表面しか見ないしさあ!!」
「散々人に干渉してきたくせにハイ、サヨナラってするわけ...?...ああそうだよな、おまえ俺のこと嫌いだしな。」

こんなに気持ちが動いたことなんか人生で一度もなかったし、こんなに満たされたこともなかったのに。

「世界で一番図々しくてうるさくてウザいしバカけどさあ...腹立つけど一緒にいて楽しいのはおまえ、旭だけだった」

認めたくなんかなかったけど。

「......俺だって旭のことなんか大好きだ!!!」

コイツの面倒、見てやれるのなんて俺ぐらいでしょ?


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2016-04-05 16:19:48 +0000