【人形日】コゼット【第二場面】

ちえみ
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■コゼット(Cossette)
本名:Cossette du  Léveillé
性別:女
身長:157㎝
ココロのカケラ:2
予感:4【悲観】
たいせつなもの:8【面】
おもいだしたもの:-
ギフト:-
確信:-

「端的に申し上げて、嫌、です。このような雑用、下々の者がすべきことでございます。わたくしの仕事ではありません」

■家や家族、自分趣味のことなどを断片的に思い出しました。また、己の根底にあるノブレス・オブリージュ(意:高貴なる者の義務)も強く意識するようになりました。己が指針となり、下々の者を良い方面に導く。ピリオド君との交流により、単に命令だけして自らが規範とならないのは高貴なる者の行いとは言えないことを学びました。少しずつ他人の意見を聞くようになりました。
また、本名は誰にも話しておらず、今のところ教える気もありません。
ピリオド君のことを気にかけており、つい目で探してしまいます。見つからないと悲嘆し、何故己がわざわざ気にかけてやらないといけないのかと憤怒し、おぞましい白い手を思い出し最悪の状況を考え悲観に暮れる、の悪循環の中にいます。

■第一場面 ピリオドくん【illust/55563625
「まったく、ピリオド様はどこをほっつき歩いていらっしゃるのかしら!…………ご無事だと良いのだけれど」

■共鳴について
素敵なご縁をいただきました!
ベルンハルト君illust/56247482
「あら、最低限のマナーは心得ているようですね。良いでしょう、わたくしはコゼット。ただのコゼット、です。好きに呼んでいてだいて構いませんわ」
「ベルンハルト……良い名前ですね。ベルン様と呼んでも?」
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「もし? ねえ貴方、一体何がそんなに楽しいのですか」

夏空色の髪が眩しかった。
それに違ぬ晴れ晴れとした笑顔。積極的にあの女の言いつけに従事しようとする気構え。
自分とは何もかも違うその姿勢に。
――気に喰わない。
そう思うも。気付けば、己から声をかけていた。

「ふうん……そういうものですか。良く分かりません。わたくしの眼には唯の薄汚れた物体にしか見えませんから」
少年の話は全く興味をそそられないので素直に吐き捨てる。またやってしまった、と思った時にはもう後の祭りで。いつまでも横柄な態度でいては何も変わらない。紫電の彼との邂逅で自分は学んだのではないのか。まずいと思いつつ少年を見やるも、気分を害した様子もなく詠うように話し出す。その様子に、どこか安堵している自分がいた。

「貴方と一緒に?せっかくの申し出ですが、お断り致しますわ。わたくしの性に合いませんし、何より……絵なんて、描いたことがありませんもの」
ベルンハルトと名乗る少年は、背景画の修繕を頼んできた。
絵は苦手だ。出来るかどうかも分からないことに挑戦して、無様な結果を出してしまったら目も当てられない。自分に失敗は許されないのだ。けれど、何故だか心は傾きかけていた。
「良いですか。これは楽しいか楽しくないかの問題では……って、ちょっと!ベルン様っわたくしはまだ手伝うとは一言も言ってませんっ!」
綺羅星を瞬かせる少年の瞳が熱意をもって語り掛けてくる。その子犬のような眼にどうにも弱いらしい。弟か妹がいたらこんな感じだろうかとぼんやり思った。それはいつかどこかで見たような、在りし日の面影を思わせるような――。一瞬、記憶の断片がちらつくが、手繰り寄せようとしたところで霧散してしまった。思わず眉根が寄るが、少年は気にするでもなく画材道具を押し付けてくる。呑気なことだ。
――嗚呼、苛々する!

楽観的で軽率なだけの子供、第一印象でそう決めつけた少年にはちゃんと考えがあるようだ。それは希望的観測でしかないもの。不明瞭で覚束ないもの。だけど、自分とてその曖昧なものを探しながらここまで来たのだ。少年が掴みかけていると信じるそれを一蹴することは、できなかった。
「……。……貴方、は。……仕方ありませんね。ほら、何しょぼくれた顔をしていますのベルン様。とっとと作業に移りますよ。(と、言っても一体何からはじめたらいいのかしら……)」

絵は苦手だった。絵の具は匂うし衣服は汚れる、だけど、誰かと何かを成し遂げるのは素直に胸が躍る。完成が近づくにつれ輝きが増す、少年の笑顔が眩しかった。自分も、こんな風に笑えたらいいのに。
「全く、このわたくしに雑用を願い出るなど正気の沙汰とは思えませんわ。……覚えていて、記憶を取り戻したいと願っているのはベルン様だけではありませんの。貴方の願いに賭ける価値を見いだした、理由なんてそれで充分でしょう」

やった、やり遂げた。
大喝采の中にいた。心臓は早鐘を打っている、汗は後から後から滴り落ちる。不快だ、けれど。幕が降りた瞬間訪れたのは、とてつもない達成感。舞台袖にいる少年と目が合うと、割れんばかりの拍手を贈られる。嗚呼、そんなに叩いては後で痛んでしまうだろうに。自然と口元がほころぶのを感じた。
修繕を終えると、今度は少年が願いを叶えてくれると言う。戸惑いながらも人を探していることを告げると快く協力に応じてくれた。捜索中、戯れにメヌエットを教授してみるもどうにも筋が悪い。
けれど。星は堕ちない。煌きは消えない。頭を抱えてしまった少年を傍目に舞い続ける。きっと、すぐにでも立て直してまたあの笑顔を見せてくれるのだろう。もう苛立ちは感じなかった。

その後、開幕の時間となり、あの女に促されるまま壇上に上がることとなる。結局、どこかで悪態をついているであろう彼を見つけることはできなかったけれど、今はとても満ち足りている。きっと、きっと彼も見ていてくれただろう、己の雄姿を。

「ベルン様、描画に誘っていただいたこと、その、…か、感謝しております。わたくしには貴方の笑顔が眩しかった。認めたくなかったのです。貴方のようにのびのび生きたいと、貴方のように微笑みたいと思っているなどと。今なら自分の心と向き合えますわ…さあ、行きましょう。……エスコートしてくださる?」

扉が――、開く。

●周りに合わせること、協調することの大切さを学びました。
●少しだけ前向きな考え方ができるようになりました。

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嫌いよ

あなたなんて 大嫌い

私にいじわるするのはだあれ
私のたいせつなもの、壊したのはだれだったかしら

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2016-03-31 15:50:00 +0000