3月は、卒業、転勤、引っ越しなど、別離(わかれ)のシーズンです。
そしてまた、新たなる出発(たびだち)のシーズンでもあります。
嘗て、わたしが通っていた小学校の卒業式では、「出発の歌」(作詞:峯陽/作曲:小林秀雄。敬称略)という歌が、歌われていました。
わたしも、「出発の歌」を、卒業式で合唱する為に、卒業間際に何度も何度も歌いながら練習していた事もあって、それ以来、わたしにとっては、ずっと忘れられない歌になっています。
「出発の歌」は、前半の静かな部分と後半の勇壮な部分を、澄みきった声で明確に歌い分けますと、心に沁みわたる、素晴らしい歌です。
お話は変わりまして、わたしは今までに、『ニルスの不思議な旅』のニルスを、メインにしたイラストを、沢山投稿して来ましたが、今回は気分を変えて、『ドラえもん』に関係するイラストを投稿する事になりました。
先日・3月14日は、ホワイトデーでしたが、実は、約35年前の西暦1981年(昭和56年)同月同日に、映画『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』が公開された日でもありますので、少し遅れましたが、今回のイラストは、それを記念しての投稿となります。
今回のイラストは、映画『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』に登場した、クレムとチャミーをメインとしたものです。クレムは、兄のロップルに比較して出番が少ないものの、のび太からあやとりをレクチャーして貰うなど、2人きりのシーンが度々登場しまして、のび太を特に慕っている描写がありました。クレムは、最後の別れの際には、のび太に雪の花をプレゼントしていました。
今回のイラストですが、実は、西暦2011年(平成23年)の秋頃に、クレムを演じられた小山茉美さんに宛てた絵葉書が、原版になっています。
しかしながら、今回のイラストは、荒目のポストカードに描きましたので、僅かに表面の荒い凹凸が見えたり、僅かに滲みがあったりしますのは、御了承願います。
投函する前に撮影した、絵葉書の画像の一部を、トリミング加工してリサイズしました。
今回のイラストでは、クレムは、前髪と衣裳を少しアレンジしました。前髪の線は、原作からそのまま引用しています。
肢体は、極力格好良いプロポーションにしながら、極力「柳腰」にも見えるように注意しながら、描きました。
クレムの衣裳のスカートは、ぎりぎりのところまで短く詰めながら描きましたが、それでも、「或る程度の節度」を保ちながら、「パンチラ」にならないように注意しながら、オミットしました。個人的には、クレムの下着は清純に純白だと思っていますが、もしもパンツを表現するとなれば、それほど「あからさま」には目立たない程度に、抑制するでしょう。
クレムが右手に提げているスクールバッグは、衣裳と対照的な色にしましたが、もう一寸ばかり、各部のディテールにこだわって描いても良かったかな、と思いました。この次にイラストを描く時に、スクールバッグを表現する時には、今回のイラストの反省を活かそうと思います。
クレムは全体的に、やや仰角気味のアングルで描きましたが、改めて見直しますと、少しばかり不自然になってしまいました。
チャミーは、劇場版を基本に表現していますが、左目の睫毛を描くのを忘れてしまいました。この時に気が付いたのは、投函した直後だったのでした。まさに痛恨のミスも甚だしい事です。
それでも、ウィンクする前後であると思って、御覧になって頂けましたら幸いです。
約35年前の西暦1981年(昭和56年)同月同日、映画『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』の公開初日は、同時期に放送されていた『ニルスの不思議な旅』が、最終回(3月17日放送)を迎える直前でもありましたので、或る意味では感傷的に思えたのでした。しかしながら、同年4月から放送がスタートした一部のアニメで、クレム役の小山茉美さんが演じるアニメキャラクターに宛てて、クレムが左手で見せている「サムズアップ」と共に、激励のメッセージを届けているように表現しました。
その後、西暦1990年(平成2年)になって、『キテレツ大百科』のコロ助が第87話で、クレム役の小山茉美さんから、チャミー役の杉山加寿子さんに、「襲名」される事になろうなどとは、当時は思いもよりませんでした。
今回のイラストの原版となった絵葉書を書いた、西暦2011年(平成23年)の秋は、『東日本大震災』の直後でした。この為に、わたしは今回のイラストの原版となった絵葉書を書いた際に、クレムが左手で見せている「サムズアップ」を表現する際には、特に指先がしなやかに見えるように注意しながら、表現しました。
そしてまた、クレムが左手で見せている「サムズアップ」は、クレムを演じられた小山茉美さんへの激励であると同時に、『東日本大震災』で大きな被害を受けた、東北地方の福島県・宮城県・岩手県の各県の、被災地および被災者の方々への激励という、二重の意味を込めながら、表現しました。
最初にも書きました通り、3月は別離(わかれ)のシーズンであると同時に、新たなる出発(たびだち)のシーズンでもありますので、投稿に際しては、卒業と同時に、新たなるスタートを迎える人々への、「餞」(はなむけ)の意味を込めています。
例によって例の如く、着色は殆どマジックを使用しています。着色の際には、「色ムラ」が出ないように、十分気を付けましたが、陰影が付かない分、あっさりとした印象になるかと思われます。
ただし、チャミーの体毛や耳には、ピンク色でも濃淡の差異がありますので、その塗り分けには、マジックの「極細」と「細書き」を使い分けながら、ピンク色の濃淡の差異を区別して、着色しました。口と舌もやはり、「極細」と「細書き」を使い分けながら、赤の濃淡の差異を区別して、着色しました。
何よりも原版が、ニルスを熱演されました小山茉美さんに宛てて、送った絵葉書ですから、なるべく明るい色にしました。前述しました経緯もありますが、投函する前に撮影した際も、なるべく明るくしました。
今回のイラストは、前述しました通り、「アラ」と悔いが残るイラストになってしまいましたが、出来る限り力を入れて、クレムとチャミーを描きましたので、気に入って頂ければ幸いです。
2016-03-16 03:00:02 +0000