【天と地の世界樹】illust/54032140
第二期参加させていただきます。
「この命は、いったい誰のものなんだろうね?」
◆ウィヴィッド【天の民:25pt】
名もなき種族の父と、幸運のレプリカから生まれた青年。
自身の幸運を他人に譲渡し、そこから派生した感情を得ることで体や身に着けるものの色が変わり、同族は淡く鮮やかな色を正しい幸運の象徴、くすんだ黒い色を欲望の象徴として美醜を判断する。
ウィヴィッドはその性質は色濃く継いだが、混血のため髪の色は固有色として保持し、母が嫌った黒や赤といった色についても生き物らしい欲求として特に厭わない。
その体は足先から膝までが暗く染まっている。
記憶を代償に傷を癒すフェアリーレンも受け継いだが、使用頻度が低いため忘れてしまうことは少ない。
フラフラと旅人のように出歩き、それらの能力を使っては人助けのような、暇つぶしのようなことをして大幅に寿命を縮めている。
温厚で親切なようだが自身の命について扱いが非常に軽い。
◆母:フィフィー【illust/55245244】
「母さんはどうも自分の外見が好きになれなかったらしいけど、下半分くらいが黄色に染まった髪をくるくる弄っているときはとても幸せで、誇らしげな顔をしていたよ。」
◆父:ヴィルナーデ【illust/55148091】
「しょっちゅう初めましての挨拶をしていたから、最初は本当によくくるお客さんだなって思っていたよ。でも、両親の姿は一つの理想の恋人たちの姿なんだ。不思議だね」
◆妹:フィーリルーデ【illust/55660826】
「こんにちは素敵なお嬢さん。お暇なら一緒にお茶でもいかがでしょうか?(ただいまフィーリルーデ)」
◆*素敵なご縁をいただきました!
◆ヴィオレットさん【illust/55665317】
さて次はどこへ向かおうか?
なんてね。目的地は無くただ出会う人々の心の一端を拾い集めていく。何せ自分はレプリカで元々は自我もなく、よそから補わなければ穴だらけなのだ。
純正の母と違って生まれつき多少の心は持っていたし、家族の情を得てそれなりに僕というものは構築されているものの、まだきっと足りない。好奇心は猫をもなんとかって言うけど、この欲求は中々気に入ってるよ。生き物らしいだろう?
それに時々いいものをくれる。
彼女に出会ったのは好奇心に従って、悪魔とやらを探していたときだった。
「どうされましたお嬢さん?何か悲しいの?それとも怪我?たぶん何とかできると思うけど……いらない?じゃあついでにちょっと教えてほしいんだけど、この辺に悪魔がいるって噂をご存知かい?」
「へえ君のこと。うーん…こんなにきれいな涙を流せる子を悪魔だなんて、みんな見る目がないね。ん?大丈夫大丈夫、僕も結構”妙なもの”だから」
彼女はなんだか面白い存在だった。大人びて見えたり、少女らしく振舞ったり。
珍しいお菓子を手土産にしたときのキラキラした目とそれを我慢する口元が可愛くて、新しい店を見つけるとつい覗いてしまう癖ができたのは秘密だ。
「自分の在り方に悩める君を、子供だなんて思えないな。それに、僕のこの力はそんなに崇高なものじゃないよ」
いつからだろうか、幸運なんかじゃなくて、僕の手で彼女の悩みを軽くできたらと思ったのは。でも出来ることは少なくて、やっぱり今日も彼女の幸運を願ってみたり。
そしてその度ひたむきな生への想いに触れて、黒く染まっていた体の端が元の色を取り戻す。知らない感情に、まだ僕の思考は追い付かない。
「忘れることを辛いと思わないのは、あまり悲しみに触れてこなかったかな…。
僕はね、幸運の代わりに他人の感情を得ることで心を作っていく生き物なんだ。譲渡で得るものは喜びか欲望が多かったし、家族は忘れたことも忘れてしまうから悲しみっていうのは結構珍しい感情だったよ。……君に教えてもらうまでは」
「寂しいと、返せないのが悲しいと思うなら、それは記憶が無くてもお兄さんのことを大切に思えているからだよ。理屈じゃなくて、心から。それだけで十分だとお兄さんもそう………思っている、んじゃないかな…?」
「どうして泣くの?いつか世界の一部になるなら、今こうするのも同じようなものだろう?それできれいなものが見れるなら、それは幸せなことじゃない?」
「……ごめん、本当はわかり始めてる。
終わりがわかっていても、そうじゃなくても関係ない。死ぬためじゃなくて生きるために今ここに在るんだってこと。
でも僕は一人じゃ不完全で、また見失ってしまうかもしれない。だから、君がそばで引き留めてくれる?」
「うん?そう、プロポーズだよ。愛してる、ヴィオレット。僕のお嫁さんになって!」
「恐れや悲しみを、こんなに愛おしいと思える日が来るなんて。
君が教えてくれたんだよヴィオレット。今君が幸せなら、すべてのことは報われた。
僕の命は君のものだ。最後まで……いや、いつまでも一緒にいこう」
不備等あればお声かけいただけるとうれしいです。
よろしくお願いいたします。
2016-03-11 12:34:43 +0000