【死夢遊戯】ガマン、シナクチャ【壱:現実】

奇乃@亀ですが活動再開します
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『キャハはハハは!!!!』


―ひとりかくれんぼを始めてから暫くすると、家中を子供が笑いながら思い切り走り回るような足音が聞こえ始めた。
まずは浴室のある一階。
浴槽から廊下へ、廊下からダイニングへ、ダイニングからキッチンへ、パタパタと軽い足音があちこちへ、何かを探すように走り回る。
一階をあらかた調べ終わったのか、今度は階段をダダダダダっと勢いよく駆け上がる足音。
次は二階を走り回る足音。その足音の主が私が隠れている部屋に入ってきた時、遠い時には足音に紛れて聞こえなかったグジュグジュと湿った音が足音と一緒にしている事に気付いた。
浴槽に沈めたのだから濡れていて当然かと納得しつつ、クローゼットの中で息を潜めていた私の耳に、足音の主の声が聞こえた。


『アリさァーどコー?アソボ、アソボ!』



甲高くキンキンと響くその子供のような声に、好奇心が膨らむ。
どんな身体をしているのか、どんな顔をしているのか、痛覚はあるのか、この握りしめたバールで殴ったら殺せるのか、興味は尽きなくて。
ひと目見ようと戸に手を添えるけれど、あと一歩のところで思いとどまる。
だって今開けたらあの場所に行けないと直感的に悟ってしまったから。
今開けたら絶対に楽しいけれど、あの場所の方がきっともっと楽しいもの。
だから、ガマンしなくちゃ。


戸に添えていた手をそっと外し、夢のあの場所へと思いを馳せる。
そうしているうちに戸の向こうのモノに対しての関心は完全に無くしてしまった。

笑い声が聞こえようが鳴き声が聞こえようが怒り脅す声が聞こえようが、もうソレに関しては何も思いはしなかった。

―どのくらい経ったのだろうか、空気がふいに軽くなった。
       私は戸をゆっくりと開けて辺りを見回す。
             床には足跡の様に赤い絵の具がそこかしこにべったりと付いていた。

……掃除が大変そうね。
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二人とも一枚絵で失礼します。
二人目を一日目:現実(illust/55037600)にログインさせていただきます。

▼零日目は神崎 颯真君(illust/54306280)と一緒に過ごさせていただきました。
▼夢から覚める間際に漸く感覚的に自分の能力を把握しました。もっと早くに知ってれば人間を襲ったのに…とちょっぴり残念。次の夢から殺し合いしたいなどと思っている様子。
▼夢にて持ち歩いていたバールを抱きかかえて眠っていてちょっと吃驚。夢じゃなかったと思いテンション↑。
▼メールに気付いて家族が不在だった為ひとりかくれんぼを実行しました。だって面白そうなんだもの。
▼怪奇現象に遭いますが本人は隠れた所から出て怪異と遭遇したい、でもそうしたらもうあの場所(夢)に行けないと葛藤し最終的に興味を失いました。
▼気配が消えてクローゼットの中から出たら、床が赤い絵の具まみれでしたが掃除が大変そうね、程度の認識しかない。非常に他人事。
▼端末ID【9】→ロックな赤ちゃん人形をゲットしました。
▼仮病で学校を欠席したので一日家にいました。その為現実世界での交流は不可とさせていただきます。
▼こちらも持ち帰れたという事は夢に持ち込みも可能なのではと考え、今夜もバールを持って行く予定。

野々瀬 有紗(illust/54340551)
何か問題などありましたら、お手数ですが連絡お願いします。

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2016-02-29 13:55:31 +0000