仁本物語【弐】【illust/52333018】
7つの村の7つの墓地から
取った土を人の血で捏ね、
自分の信じる神の形とし、
更に人のよく通るところに置いて
千人の人々に踏ませたら。
作り上げた人形神を祀れば、どんな願い事でも叶い、欲しい物がすぐ手に入るのだというよ。
やってみるかい。それ相応の、覚悟があればの話だが――…。
◆かりそめ
男/?歳/182㎝/妖怪(人形神)
一人称:おれ 二人称:おまえ
結により、祓われ封じられた人形神。
長年にわたり変化し続けた血により弱体化はしていたものの、この一件でさらに弱くなり
自ら封印を解くこともできなくなった。力が強くなる夜だけ部屋から出てることはできるが
敷地内から出ることはできない。封印が解けたとしても、憑くことができるのは一人だけ。
一族に憑くほどの力は残っていない。
「――…久しい人の声。おまえは誰ですか?」
「驚いているようだけれど、噂を聞いてやって来たンじゃないのかい」
「ああ、いや…怒ってるわけではないよ。そう、すこしお願いしたいことがあって…ね」
「……聞いてくれますか?」
封印を解くには外からの力が必要なため、噂を聞いてやってくる人に話しかけてはいるが
怯えて帰ってしまうものが多く失敗している。
このままここで朽ちるのもいいかと思ってはいるが、人が訪ねてくると嬉しくなり
傍に居てほしいと欲が出る為毎回話しかけている。
「おれの名前ですか。なんだったかなあ。…忘れてしまった」
「…ああ、じゃあ『かりそめ』でいいですよ。多分、名前なんてないかもしれませんし」
「おまえがつけてくれますか?…なあんて。冗談ですよ」
人ひとりでは到底かなわないような願いを自分に頼ってくること、醜い欲を聞くことが好き。
この人には自分しかいないのだと思いたい。執着心や嫉妬心が強く、
常に誰かに憑いていないととてつもなく不安になる。
誰かに必要とされることが好き。理由は「その為だけに生まれた存在だから」
「おまえの望むことを、なんでも叶えてあげますよ」
「だからおれの手を取って」
「人形遊びに飽きたら、ああ、そうだなあ。……ねえ おれとともに、地獄へ落ちてはみませんか」
婚姻に関しては種族問わずご縁があればお願いいたします。
ありがたくも申請を頂いた場合は3日以内に返信しますので、連絡がないという方はお手数かけますがご一報ください。
あーあァ、 人間サマ。おれを作ったのはおまえでしょうに、最期には必ずおれを拒絶するんですね。
そんな、自分勝手で、怖がりで、欲にまみれたおまえがだいすきですよ
苦しいのは、そんなに嫌い?
死ぬのが、そんなに怖い?
…あーあ、そんなお願いは、聞けないなあ
その家に近づいてはいけない
2016-02-29 11:31:45 +0000