『渉、どこにいるの、早く出てきなさい』
―ひとりかくれんぼを始めてすぐ、母の声が聞こえた。
思わず隠れたキャビネットの戸を開けようとして――ふと思い出した。
母はさっき外出したはずだ
戻ってくるならドアの音がするのではないだろうか?
そう思った瞬間、
ぞっ、と肌が粟立つのを感じた。空気が重い。
扉の向こうに『ナニカ』がいる。
『渉、どこにいるの、早く出てきなさいキュル渉、どこにいるの、早く出てきなさい渉、どこにいるのキュル、早く出てきなさいキュル渉、どこにいるの、早く出てきなさい渉キュルどこにいるのはやくでてきキュルキュルなさい渉どこにいるのはやくでキュルてきなさい渉どこにいるのはやくでキュルてきなさい渉どこにいるのはやくでてキュルきなさい渉どこにいるのはやくでてきなさキュルい渉どこにいるのはやくでてきなさいアキュルユムドコニイルノハヤクデテキナサイアユムドコニイルキュルノハヤクデテキナサイアユムドコニイルノハヤクデテキキュルナサイアユムドコニイルノハヤクデテキキュルナサイアユムドコニイルノハヤクデテキナサイアユムドコニイルノハヤクデテキナサイアユムドコニイルノハヤクデテキナサイアユムドコニイキュルルノハヤクデテキナサイキュルキュルアユムドコニイルノハキュルキュルヤクデテキナキュルサイキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル』
壊れた様に同じ言葉が繰り返される度、母の声では無くなっていった。
無感動に無機質に機械的に言葉の羅列を吐き出す合間にまるでテープを巻き戻す様なキュルキュルという音が聞こえる。
身体が震え必死に耳を塞いでも聞こえるその音と声は次第にスローモーションの様に低くゆっくりになっていき、最後に
『は や く で て こ い』
野太い男の声になった瞬間にブツリ、と何かが切れる音と共に気配も重い空気も跡形もなく消え去った。
それでも僕は暫くその場に縫い付けられた様に動けなかった。
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長く見ずらいぬるいホラー文失礼しました。
漸く一人目を一日目:現実(illust/55037600)にログインさせていただきます。
▼零日目は林原梵君(illust/54031026)と一緒に過ごさせていただきました。そのまま現実へ。
▼夢にて持ち歩いていたゴルフクラブが枕元に置いてあって吃驚。夢じゃなかったと思い知る。
▼メールに気付いて両親が外出したのを確認した後にひとりかくれんぼを実行しました。
▼生き残れる気はしないけど、死ぬのは怖いという思い。
▼漸くキャビネットの中から出て床が水浸しの上お気に入りのCDプレイヤーが壊れていて色々ショック。
▼端末ID【1】→メリーちゃんゲットしました。
▼不登校の引きこもりの為、外に出る事がありませんので現実世界での交流は不可とさせていただきます。
▼持ち帰れたという事は夢に持ち込みも可能なのではと考え、今夜何か持って行く予定。
片桐 渉(illust/54233362)
何か問題などありましたら、お手数ですが連絡お願いします。
2016-02-28 14:40:39 +0000