【仁本物語弐】あまあけ【第伍世代】

オトンヌ

「ねえねえそこのお兄さん!よかったら僕の傘に入っていかない?見ての通り、大きすぎるんだよ。」

こちら【illust/52333018】の企画に参加させていただきます。

☂あまあけ  24歳(見た目12歳ほど) 女 身長143cm
 種族 妖怪(傘差し狸+木霊+古椿の霊+古籠火+雨女+一目連)
 一人称:僕 二人称:あなた 他:おねえさん おにいさん

 雨の日に一緒に傘に入らないかと誘ってくる妖怪。町に降りる際には耳や尻尾などを隠し、人の子のような姿をする。
 ころころと表情が変わり、喜怒哀楽が出やすいため、大きな感情の揺れで暴風雨が起きたり、悲しみで雨を降らせたりしてしまう。
 傘に入った者は意識が遠のき、そのまま連れ帰っては椿の花にして食べたり、その色が気に入れば苗木に変えて植える。
 花の色はその人の性質により、赤、白、桃、黄、青、紫、黒など様々で、本来ならば無い色が咲くことも。
 独り立ちをし、山奥にひっそりとたたずむ家に暮らしていて、周りにはたくさんの椿の木が年中絶えず咲き誇る。
 枯れることも花が落ちることも基本的にはないが、元の人間の寿命に達したときにのみ、その木は朽ちるらしい。
 人を椿に変えることも、それを食らうことも悪いとは思っておらず、妖怪なのだからと割り切っている。
 人も椿も好き。ただ、お腹がすいた時に食べるだけという認識。普段は人と話したりすることも多く、少々甘えたがり。
 好きなものは好きだから、と感情表現もまっすぐ。活発にどんどん前へと突き進んでいく。
 親よりは長時間持つが、定期的に椿に触れなければ身体は霊体化し、そのまま触れずにいると消えてしまう体質。
 暗い夜道では尻尾の先が仄かに光を帯び、それを使って人を導いたり、機嫌が悪ければ迷わせたりする。
 嘘が苦手。つくのは勿論、他人の建前やお世辞なども真に受けてしまう。まっすぐ信じてしまうために騙されやすい。
 そして何より、自分の好きなものに対する執着は人一倍。どんな手段を使っても手に入れたいし、手に入れた後は大切にする。

 「晴れも、雨も、曇りも、ぜーんぶ好きだよ。だって、どれも楽しいじゃないか!」
 「入ってくれてありがとう……あなたは、僕のおうちに植えてあげる。これからはずーっと一緒だね。」


☂素敵なご縁をいただきました!
 僕はいつでも腕の中に― くびきさん【撤退済】
 いつものやまで、いつもと違う道を歩いていたら綺麗なお兄さんと出会った。
 雰囲気がどこか僕と似ている気がしたし、こんな山の中で人と会うなんてことが珍しくて。
 お兄さんが笑ってくれたから、僕も笑い返したのが始まりだったと思う。

 「重くないよ、平気。このくらい大きいとね、誰かと一緒に入れるからとっても楽しいんだ。」

 なんて、だれとでもするお話。だって、僕の見た目は子供で、この大きな傘は不釣り合いだからね。みんな知りたがるんだ。
 だけど、お兄さんとお話するのはそれだけじゃなかった。何度も何度も会って、いろんな話をして。
 そうするうちに欲しくなっちゃったんだもん。だから……今ではすぐそばに。

 「くびきは大きくてかっこいいね、僕の身体がすっぽり入っちゃう。」

 頭をなでるその優しい手も、好きだという言葉も全部僕のもの。くびきは僕の、大切な人。
 好きで好きで仕方がないから、ずっと一緒にいる。当たり前だよね?それが僕が思う精一杯の愛なんだもん。
 だから、くびきも僕の事を好きでいてくれるよね?なんて、聞かなくても分かる事。
 このまま二人だけで過ごすことが出来るなら、それはとっても幸せなこと。

 「交換?……交換なんて、しなくてもいいよ。」

 確かに僕はね、人を食べないと生きていけないよ。そのためには傘に引き入れなくちゃいけない。
 それをくびきが良く思ってないことも知ってる。だって、僕たちは似た者同士なんだもん。
 ”交換”なんて言葉を使ってくれるあたり、くびきは本当に優しいよね。

 「だって、そんなことは当たり前でしょう?
 くびきは僕の、僕だけのもの。だからくびきのこれから全部も僕のもの。
 それと同時に、僕はくびきだけのものだから……今更交換なんてしなくても、もうお互いもってるでしょ?」

 僕がくびきでくびきが僕なら、きっと他人を傘に入れさせるなんて許さない。そうするくらいなら、首を手折るほうを選ぶ。
 くびきだけが居ればそれでいい、くびきが僕のものじゃなくなるなんて許さない。くびきが他のものを見るのも嫌だ。
 だからね、これから先もずーっと離してあげないよ。どんな手を使っても、絶対に逃がさない。

 まぁ、これが言えるのは、くびきが絶対にそんなことをしないって分かってるから。
 疑いがあるなら、逃げられる前に椿にして植えるに決まってるでしょう?そっちの方が確実に、僕の傍に居てくれるしね。
 今、こうして暖かい膝の上に居ることが、何よりの信頼の証。
 場所なんて、どうでもいいんだ。だって、僕が居たいのはあなたのそばだから。……ね、僕だけの旦那様?

 
☂関係者様
 お父さん 筴さん【illust/54730949
 お母さん あまだれ【illust/54524080
 「ただいまー……あー!またお母さんがお父さん独り占めしてる。たまには僕も混ぜてよ~。
  ね、お父さん。僕も丈夫なのは知ってるでしょ?怪我なんてへっちゃらだから、高い高いして!」

 弟 浹さん【illust/55154061
 「浹のお花、とっても綺麗で大好きだよ。だから、僕によーく見せて。
  我慢するなんて勿体ないと思うな。好きなものは好きだし、欲しいものは何が何でも欲しくなる。そんなものじゃないの?」
  
☂申し訳ありませんが、私の投稿する仁本物語弐は第伍世代で終了とさせていただきます。
 これまで素敵なご縁をいただいた皆様、本当にありがとうございました。

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2016-02-27 21:04:51 +0000