チャナは嬉しそうに尻尾をぶんぶん振りながら、ミサナの茶筅や茶碗を持ってくる。探し物をしているみたいに部屋中をキョロキョロ見回す。
「ああ、お湯ならここに沸いてますよ」
チャナはお湯が入った南部鉄器を受け取ると、お茶を立て始めた。
「みゃ…?」
「ミドラにお茶立ててくれますよ。私の見よう見まねですけどちゃんとしてますよ」
「へへへ♪」
チャナは出来上がった抹茶を私の目の前に差し出してきた。表面はビールの様に泡立っている。
「んっ……」
……苦いみゃ。ちょっと濃すぎみゃ。
「……美味しいみゃ」 (;=^人^=)つ旦~
恥ずかしそうに上目遣いでこっちを見てくるチャナに茶碗を返す。
「んふふ」
「ミドラ、無理してお世辞言わなくて良いですよ。チャナ、これは小さめの茶碗だから茶杓に一杯半ぐらいで良いんですよ」
「ううん……」
チャナは、親のお手伝いに失敗した子どもみたいにうつ向いた。
2016-02-27 08:39:46 +0000