「んん……」
「大丈夫ですよ。短くし過ぎてはいませんから」
チャナはミサナから手鏡を引ったくって自分の髪を入念にチェックする。結局、チャナが嫌がるからたいしてカット出来なかったな。ミサナならバリカン使って筋肉が浮き出るまで全身をツルツルにして、ケツの毛まで毟ってやるのにみゃ。
「昔にバッサリ切ってしまった時は、半泣きになって暴れて、半月程無視され続けられましたから大変でしたよ」
ミサナは子どもをあやすみたいにチャナの頭を撫でる。ちょっと切るだけでも苛ついてきたしな。
「ミドラ以上に内向的な娘ですから。頭を撫でてあげたり髪をとかしてあげると喜びますよ」
「みゃあ…」 ( =Φ人Φ=)づ彡
「ヘヘヘッ♪」
チャナは純粋な子どもみたいに笑う。綺麗な抹茶色の長い髪はサラサラとしていて触り心地がいいみゃ。
「私みたいにバリカンで短く剃れれば楽なんですけど、チャナは毛並みや髪を短く切ったら不機嫌になるから大変ですよ。ポニーテールや三つ編みにしようにも、ヘアピンやちょっとした髪飾りつけても嫌がりますし」
ミサナはチャナの背中にブラシやコロコロをかけてカットした後の細かい毛を取る。
「へへへ♪」
「チャナが身に着けても嫌がらないアクセサリーはペンダントぐらいですね。普段はこうして抜け毛を取る程度で、たまにカットします」
チャナの長い髪や胸毛には牙の形をした緑色の石のペンダントが埋もれている。
2016-02-24 14:23:53 +0000