―◆天と地の世界樹【illust/54909549】さま
―――◆素材を拝借いたしました【illust/44777672】
――◆"影追"の炎心//イェンシン
男/22/177cm(全長200cm)/天の民{10}{0}
[-概況-]
影追の術を受け継ぐ青年。一族の例に漏れず好奇心と知識欲が強く、未知に対して非常に貪欲。
性質は穏やかで楽観的。世の危機に関してもなるようになるという姿勢。
星を読んで占術を行いながら各地を放浪している。
[-技能-]
🔹影追//己の影を繰る秘術。自らの知を影に溶かし、後継に譲ることが可能
🔹星読//星の動きを読む知恵。占術の域をでないもの。
🔹幸ノ尾羽//幸運を呼ぶという尾羽。飛べない
―◆密宗『影追』
影追という秘術を受け継ぐ一族。己の影を繰り、星の影を読む者。
東の山脈の果てにあるという霧深き御殿に住む。
この世全ての知識を得ることを命題に掲げ、古くより秘術で知識を継いで生きている。
一族とは言っても血の繋がりよりも知を求める精神性の相似や継いだ影の繋がりを重視しており、その門戸は広く開かれている。
――◆婚姻:オニキス様【illust/55285334】///地の民
//地の国や民、追う術のできた新しい影には前から興味があったけれど、その時その地に降りたのは本当に偶然だった。
影が騒ぐ―とでもいうのだろうか。視界の端で流れた彗星の尾を追うように僕は地へと下り、そして彼女と出会った。
艷やかな漆黒の毛並を持ち、涼な青を隠した兎の少女。
ぺらぺらと普段以上によく回る口を繰りながら、僕は追いかけた星のことを読み返していた。
あの位置に星が流れた時の、その意味は、そう、たしか、―“新しい知見”。
「やあやあ、天より降りて早々に人に会えるだなんてこれは幸先がいい。こんにちは、可愛らしい兎のお嬢さん。
君は此処の―地の民の人なんだよね?見た感じは僕達とそう大きくは変わらないんだ…なるほど。
ああ、不躾にごめんね!僕は炎心。天の世の東、霧の御殿より知と影を追うもの。ねえ、君の名前を聞いてもいいかな?」
「オニキス、オニキス…縞瑪瑙かぁ。素敵な名前だね、魔除けの石だ。
さて、オニキスちゃん。早速だけどお願いがあるんだ。ここから一番近い街まで案内してくれないかな、不慣れなものでね。
ついでに道中色々教えてくれると嬉しいな。此処のこと、地の民のこと、それから君のことにも、僕すっごく興味があるんだ。
お代は…そうだね、君を司る星を読むことができるよ!占術。得意なんだ。興味ないかな?どう?」
「それにしても、地の世というのは本当に大地が全てつながっているんだね。
古い書物で読んでいただけのものをこうして目にすることができるだなんて、終末だからと悪いことばかりではないなぁ。
ふふ、軽く考え過ぎかな。でもね、禍福は糾える縄のようなものだそうだよ。幸も不幸も表裏一体。
わざわいを恐れて不幸に泣くよりも、その後の幸せに希望をもっているほうが楽だろう?
ああでも…君にこうして出会えたことも幸せな僕には特大の不幸が襲ってくることになってしまうね、困ったな。」
//星読のとおりに彼女から得た知識はどれも僕の好奇心を満たしたけれど、
親切な黒曜石に強引に畳み掛けて、街へついた後も交流を図ろうとしたのは、今思えばそれだけが理由ではなかったのだと思う。
僕を警戒しているのか、引いたような態度のくせ占術と聞いた時に少女らしく煌めいた瞳とか、
いつも心を押し込めるように空っぽで微笑んでいるのに、実ははっとするほど可愛らしく笑うとか、
接していくうちに僕はそういうところがたまらなく愛しくなってしまって、
何かを隠したまま避ろうとする彼女を、そのまま見送ることができなくなってしまっていた。
「…オニキスちゃん、僕は一度天の世に帰ろうと思うんだけど、その、一緒に行かない?君に見せたいものがたくさんあって、
君も前に行ってみたいと言ってたよね、それで…、じゃなくて、ええと、難しいな。こういう時には役に立たない知識ばかりだ。
…つまりね、僕はオニキスちゃんが好きなんだ。君に本当に心の底から笑ってほしくて、その笑顔を向けるのは僕であって欲しい。
だから、僕と一緒に来てくれませんか?」
「君のその涙はたしかに不幸を呼ぶのかもしれないけれど、それ以上の幸せを僕はもらったんだよ。
オニキスちゃんに出会ってから、僕の知識は新しい意味を得た。君に笑ってもらうのが僕の命題だったからね。
だから、ありがとう。オニキスちゃん。出会ってくれて、一緒にいてくれて、僕を幸せにしてくれて。
ね、笑ってくれないかな?最期に見るのはやっぱり君の笑った顔がいいな。」
2016-02-10 05:46:28 +0000