--------※15歳以上推奨企画※--------
❖古城黒恵(コジョウ クロエ) 女/17歳/無職/160cm
日本人の父親と異国人の母親の間に生まれた混血の少女。西欧人じみた容貌。
父の描く絵のモデルとなることが多く、精神的にも肉体的にも支配されている。
今の境遇から脱したい自立心と、それを阻む父親への恐怖心に悩んでいる。
❖素敵なご縁を頂きました。壱岐洲都姫さん【illust/54806827】
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「都姫先生は教えるのが本当に上手ね。もっと早く出会えていればよかったのに」
「少し休憩してお喋りしましょうよ。いいでしょう?」
進学できなかった未練と退屈を紛らす為に、家庭教師を雇ってもらうよう父に頼んだのが全てのはじまりだった。ひと周り年上の彼女の教師然としていない所に先ず好感を持った。彼女もまた、無愛想で人見知りな私に対して親しげに接してくれた。
「もし私に母親がいたなら、こんなに幸せな時間を過ごせたのだろうか。」最初はそう思っていた。しかし彼女との時間を積み重ねる毎に、溶き解された私の感情は未知の領域へと沈んでいった。
父は私が彼女に懐いているのが不満だったようで、私への暴力は日に日に酷くなっていった。この程度で嫉妬を憶えるとは何と浅薄で陋劣な人間なんだろうと哀しくなった。
最早私の頭には父への恐怖心よりも、怪我をしたらまた彼女を心配させてしまう、そんな不安のほうが大きくなっていた。
信じ続けた通り彼女は紛れも無く救世主だった。
油と死の香りで満ちた寝室に投げ出された醜い死体。地獄のような光景のなかで、彼女だけはどこまでも清らかだった。
終ぞ封じていた感情が堰を切って溢れ出し、私の目から一滴零れ落ちた。
「滝莉さんが私に愛を教えてくれたあの日から、私は貴女だけのものよ」
「私の記憶も身体も、全部全部滝莉さんで塗り潰して」
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❖紅い糸―に―【illust/54120068】に参加させて頂きます。
問題などありましたらご一報下さい。
2016-01-21 08:20:52 +0000